2012年6月24日の補遺

2月に論争になった「出生後中絶」すなわち新生児殺しの容認について、きっかけとなった論文を掲載したジャーナルJME(編集長はSavulescu)が、その論争の続編みたいな特集を予定しているらしい。:より誠実な生命倫理の議論が志向されている、というよりも話題性が追求されているだけなのか、まるで生命倫理学者の世渡り術はタレント並みなのか……とか思ってしまう。昨今の倫理学者はラディカルなことを言えば言うほど、権威ある大学に迎えられていく、と言っていたのは誰だったっけ?
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10121#comments



英国の医師から「NHSは毎年高齢患者を13万人、見捨てて死なせている」と内部告発。:前にも出た“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)と同じく、リヴァプール・パスウェイの機会的適用の問題。日本でも尊厳死法ができたら、恐らくは医療現場はこういうところに向かうのでは? 
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2161869/Top-doctors-chilling-claim-The-NHS-kills-130-000-elderly-patients-year.html

日本語。臓器移植:「心停止後」欧米で急増 ドナー不足解消狙い:オランダ、ベルギーと安楽死を合法化している国、一方的なDNR指定が問題になっている英国、UNOSが心臓死後臓器提供DCDを「循環死後臓器提供」と呼び替えることを提言している米国で突出していることが目を引きます。そもそもDCDについては知る人にはとっくに周知の事実だったのに(当ブログでも関連エントリーは多数あります)、今このタイミングになって一般のメディアがことさらに取り上げることの意味を考えてしまう。
http://mainichi.jp/select/news/20120624k0000e040099000c.html

米、人種間の資産格差22倍 経済危機が少数派直撃
http://www.47news.jp/CN/201206/CN2012062201001311.html

ゲイツ財団が、MITとハーバード大にオンライン教育ツール開発のグラントを100万ドル。
http://www.bcs.org/content/conWebDoc/45794


英・豪・米の介護者週間にも家族介護の美化が見られることには、いつも忸怩たる思い。
http://www.surreycomet.co.uk/news/9775909.Devoted_carer_says_mum_is_number_one/

一方、こういう介護者週間メッセージはありがたい。「苦しい時には声を」。
http://www.thecomet.net/news/carers_week_message_don_t_suffer_in_silence_1_1416233

日本語。結城康博さんのブログ記事で「寝たきり専門の介護施設???」:高齢者では療養病床の廃止で追い出された高齢者が、こうした貧困ビジネスの餌食になっている実態がある。これが、いずれ重症障害者でも起こっていくのではないか、と私はずっと前から恐ろしくてならない。
http://blogs.yahoo.co.jp/yyyyyasujp/52811041.html

介護予防に、ビタミンD。:補遺でも散々拾っているけど、ビタミンDとスタチンとアスピリンは、予防医学の「三種の神器」? でも、こういうのも ⇒ サプリで散々儲けた後で「やっぱりビタミンDの撮り過ぎはよくない」って(21010/11/30)
http://www.medicalnewstoday.com/articles/246555.php

ピッツバーグ医大の研究で、遺伝子操作でマウスの老化を止めらたんだそうな。ピッツバーグと言えば、心臓死後臓器提供DCDのメッカでもある。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/246914.php

こちらはコカインの作用を無化するコカイン中毒DNAワクチン研究
http://www.medicalnewstoday.com/releases/246761.php

グローバルな二酸化炭素排出量はこれまで思われていたよりもはるかに大きい。
http://www.guardian.co.uk/environment/2012/jun/21/global-carbon-emissions-record?CMP=EMCNEWEML1355

今後5年間で、英国の警察業務の多くの部分が民間企業に委託されていくだろう、との予測。:なんか、こわいな。私兵化しないのかな。
http://www.guardian.co.uk/uk/2012/jun/20/g4s-chief-mass-police-privatisation?CMP=EMCNEWEML1355


英国の生活保護制度の変更に際して、窓口の対応が悪ければ申請者に自殺者が多発する恐れが指摘されている。:どんどん進んでい英国の社会保障費カット。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jun/20/jobcentre-supervisors-suicide-risk-benefit-claimants?CMP=EMCNEWEML1355

日本では<生活保護>33歳女性の申請拒否、指導で受理 京都 舞鶴:バッシングでこういうことが起こるのは予想できたこと。府の良識ある対応がまだしもの救いだけれど。
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0620/mai_120620_4805156935.html