スイスのナーシング・ホームでは既に自殺幇助が行われている

スイスのドイツ語圏のナーシング・ホーム職員への調査によると、
回答者の50%以上が自分の職場で自殺幇助が行われた、と答えた。

スイス在住者を対象とした自殺幇助機関Exitの幹部によると、
5年前には自殺幇助を容認するナーシングホームは20%だったというが

チューリッヒを中心に
Exitに来てくれと申し出る施設が増加。

最近2人の利用者から自殺幇助の希望があったことから
施設としての方針を作らざるを得なかったというBadenの施設長 Marc Pfirter氏は
「なにが正しいかを決めるのは我々ではないですから」と語り、
患者本人の意志が「sacrasanct 神聖不可侵」との立場をとっている。

「施設に入ると、
自分の世界がベッド一つと箪笥1つだけになってしまいますからね」

職員のサポートなしには動けない人の場合には
自分の思うように行動する能力が施設入所で低下することになるので、

そういうことを考えると
最後を決めるのは高齢者本人の意思決定だと結論したのだという。

とはいえ、施設によっては自殺幇助を禁じているところもある。
容認に向けた議論は行われているが、議論は激しいものになっている。

ナーシング・ホームでは自殺幇助はすべきではない、と考えるホーム関係者もおり、

「考えてみてください。
2人部屋で暮らしている女性の片方がある日突然、姿を消すんですよ。
もう一人に『あの人はどうしたの? 昨日まで元気だったのに?』と聞かれて、
『昨日Exitが来たんですよ』と答えるんですか? そんなことをしたら、
施設利用者の間に、とんでもない不安と疑いが広がりますよ」



ちなみに、6月2日の補遺によると、

17日にVaudカントン(州)では
ナーシング・ホームと病院で自殺幇助を認めるかどうかの
住民投票が予定されている、とのこと。


チラっと思うのは、
劣悪なケアをする施設ほど、利用者の方々は自殺幇助を希望するようになると思うのだけれど、

それを本人の意思の尊重だと言って
Exitを呼んでは死んでもらっていいのだったら、

施設側には、
ケアの質を上げる努力をするインセンティブはなくなる……なんてことは?