ゲイツ財団からヤマダ氏を迎えた武田製薬は「グローバル・ワクチン市場」参入を狙う

去年5月の補遺などで
ゲイツ財団のグローバル・ヘルス部門のトップだったタチ・ヤマダ氏が
日本の武田製薬に赴任したニュースを追いかけましたが、

そのヤマダ氏をクローズアップした、“いかにも”な続報。

大きな流れとしては
大ヒットした糖尿病薬以降のブロックバスターを開発できず、業績が悪化、
そのヒット商品の特許切れも間近となって苦しい武田製薬の立て直しに
ヤマダ氏が一役買うことが期待されている、という記事なのですが、

この記事の中には当ブログの追いかけてきた話題に関連した
たいへん興味深い情報が満載なので、特にその部分について、以下に――。


武田製薬に「グローバルな研究開発手法を導入する」ことを期待されて
招へいされたヤマダ氏が、赴任するや武田製薬内に新たに設けたユニットは
253億ドルのグローバル・ワクチン市場への進出」を狙った部局。

さらに、今年1月にはヤマダ氏が
やはりゲイツ財団から、Rajeev Venkayya氏を招へい。

Venkayya氏は救急専門医で、
かつてはブッシュ大統領のもとでバイオ・ディフェンスの補佐官を務めた人物。

武田製薬ではワクチン・ユニットの拡大を指揮する。

現在、ワクチン市場が日本に限られている同社では
日本の市場向けには4種混合ワクチンの開発を急いでいるが、

これからのワクチン市場は何といっても途上国狙い。

現在、カネ持ちの先進国で使われているワクチンを
低所得、中所得の国々も欲しがるようになるのは必至と語るヤマダ氏は、
「好機は明らかです」

世界のワクチン市場は、北米、EUと日本を除外しても、
去年だけで11%も拡大し、67億8000万ドルに膨らんだ
さらに今後5年間で10%も成長すると言われている。

この予測を出しているKalorama Informationの担当者は
ワクチンは今や大きな市場ですよ。まだまだ広がる余地もあります

なにしろ、
新興国の経済と人口が伸びて行くということは、
新興国で売られるワクチンの需要がどんどん膨らんでいくということだから、と。




なるほど、「ワクチンの10年祭り」は、あと5年残っている、
ターゲットは新興国と途上国のワクチン市場、というわけですね。

まだまだ、あと5年は、ワクチンが儲かりまっせぇ……と。



ヤマダ氏招へいの前後については、こちらに ↓
ゲイツ財団、ビッグ・ファーマ・ノバルティス役員の引き抜きへ(2011/9/12)