スイスでの自殺幇助、DignitasでもExitでも急増。その多くは女性

昨年2011年に国外からスイスに赴き
Dignitasで幇助を受けて自殺した人は144人で、
前年2010年から35%も増加。

スイスに在住の人のみを対象にしているExitでは
300人を超える自殺者に幇助。
257人だった前年2010年から17%の増加。

Exitで幇助を受けて自殺した人の多くはガン患者で、
平均年齢は76歳。

Dignitasでの2011年の自殺者の約3分の2は女性。

自殺する人全体で言えば男性が多いが、
幇助を受けて自殺する人の多くは女性である。

Assisted suicide numbers up in 2011
Swissinfo.ch, February 19, 2012

Dignitas assisted death rose 2011 report
Times Colonist, February 19, 2012


最後の自殺者総体には男性の方が多いが、
自殺幇助で死ぬのは女性の方が圧倒的に多いという情報に考え込む。

これまでも、女性が要介護状態になった場合に
男性よりも自殺幇助を望む方向に追い詰められやすいことについては
以下の2点を、以下にリンクしたエントリーなどで指摘してきた。

① 「ケアする者」の役割を背負わされている女性が「ケアを必要とする者」となった場合の
「家族に負担を負わせることへの恐れ」は男性以上に大きいという問題。

② 夫の介護には、支配―被支配の関係が妻の介護以上に入りがちであるという問題。



「女のエクスタシーと自殺幇助の関係性」のエントリーでは以下のように書いた。
(この時の会話で使われたのが「エクスタシー」だったので、そのまま書いていますが、
実際に意味されていたのは「オーガズム」だったと思います)

エクスタシーなんて夢物語だ、セックスは妻としての退屈で苦痛なだけの義務だと
信じ込まされている女が1人もいなくなるまでは、

どうか、お願いだから、

「家族に(夫に)介護負担をかけたくないから」死にたいという望みに
「分かったよ。じゃぁ君の望みのままに」と思いやり深く応じて妻を死なせる夫を
免罪するような社会を作らないでください。


【4月16日追記】
その後、ディグニタスの方のデータも出ていたので追記。
1998年から2011年までにディグニタスで幇助を受けて自殺したのは1298人。

なおスイス在住者の自殺は1998年には43人だったので、
09年までの11年間に7倍に膨れ上がったことに。