ガーダシルは「子宮頸がんだけじゃなく性器イボも予防」と英国政府がサーバリクスから乗り換え

日本でも当初のサーバリクスにガーダシルが追加され、
いつのまにか「子宮頸がんワクチン」→「子宮頸がん予防ワクチン」と
名称を進化させていくHPVワクチンですが、

英国では「性器イボ予防ワクチン」なる別名もゲット?


余りにもエゲツナイ売り込み戦略が警戒感を煽って
ガーダシルが思ったほどに売れず敗北を喫したメルクが
CDCの前センター長をワクチン責任者に天下りさせるなど、
陣容を立て直して巻き返しを図っているのかなぁ……と思っていたら、

これまでガーダシルは高価であるとか副作用リスクが大きいとされて
08年からサーバリクスを使っていた英国でも、俄かに形勢が逆転。

来年度からガーダシルに転換し、
学校で12歳から13歳の女児全員に無料接種するそうな。

サーバリクスは2価で子宮頸がんの原因となるHPV2種類にしか効かないけど、
ガーダシルは4価で子宮頸がんだけでなくて性器イボも予防するから、コスト効率がよい、との判断。

オーストラリアから新しいデータが出て来て、
ガーダシルにサーバリクスと同じ子宮頸がん予防効果があり、
同時に男女児いずれにも性器イボ予防効果があったとのエビデンスに基づいた
中立の諮問機関 the Joint Committee on Vaccination の提言を受け、
英国政府が決定したもの。

現在、12歳と13歳の女児の77%、14歳と15歳の84%が
自発的に3回のサーバリスク接種を受けており、
これは世界でも最も高い接種率だとのこと。

ここでガーダシルに転換すれば、
20年以内に異性愛者の性器イボは根絶できる、と専門家は歓迎。

記事でコメントしているのは
政府のワクチン関係者、性病HIV学会関係者、
エイズ関連チャリティ関係者、それから英国医師会関係者。

みんな大歓迎・大絶賛――



「20年で異性愛者の性器イボが根絶できる」ガーダシルには、 11月17日の補遺で拾ったところでは
「男性同性愛者の肛門上皮内腫瘍も予防」というデータも出てきているし、

米国では以下のようなニュースもあったばかりだし ↓
HPVワクチン、男児にも定期接種が望ましい、とCDC(2011/10/26)

上記記事にあるオーストラリアのデータでは「男女児とも」
性器イボ予防効果があったとのことだし、

英国で「男児にもガーダシルを」という話になるのも時間の問題……でしょうか。


genital warts、なんのころやら良く分からなかったし、
そもそも私はこのワクチンそのものがこんなに怪しげな問題になるなんて
夢にも思っていなかったので(それをいえばゲイツ財団だってそうなんだけど)
genital wartsのことは、これまでお気楽に「性器イボ」と訳してきましたが、
17日の補遺の記事にあった「上皮内腫瘍」というのが日本語の定訳なのかな。

えらく印象が違うな……。

今日のGuardianの記事では
「みんな、まずはgenital wartsができることから始まるんだ」と
いかにも前がん状態のように匂わせている人もいるので、

気になって、ちょっと検索してみた。

尖圭コンジローマ または 性器疣贅(どう読むのか分かりません)というらしい。

当のメルク社の解説があったので、訳がちょっと変だけど、こちらに ↓
http://merckmanual.jp/mmpej/print/sec14/ch194/ch194d.html

比べ物にならないくらい、もっとグーグルの訳はヘンだけど、こんなものも出てきた。
ガーダシル接種によって逆に性器イボができちゃったケースがこんなにも報告されているらしい ↓
http://web177.net/index.php?VAERS%20Gardasil%20%28Genital%20warts%29

もっとも、上記サイトは非常に偏っているところなので、
その点は予めお断りしておきますが、

ただ、ガーダシル接種によって「尖圭コンジローマ」ができる可能性は
日本でも、当ブログがたまたま読んだ厚労省の部会で指摘されている。

その可能性だけではなく、
そうなった時にワクチンを打ったことの証明が残らないじゃないか、と
制度上の大問題が指摘されたにもかかわらず、
「この部会で議論することではありません。ほかにどうぞ」と
スル―されて終わっている。




HPVワクチンについてのこれまでのエントリーは
上にリンクした10月26日の米国CDCが男児にも推奨とのエントリーにだいたいあります。