ナーシング・ホームで暮らす人の権利(米国)

ナーシング・ホームで暮らす人の権利は
1987年のNursing Home Reform Lawという連邦法で保障されたもの。

特に個人の尊厳と選択そして自己決定が強調されている。

上記の法に基づいて、ナーシング・ホームだけでなく
アシスティッド・リビングやケア・ホームなど多様な介護施設を対象に
州法や条例を通じて入所者の権利を定めている州もある。

基本理念は、
施設で暮らしている人に施設入所せずに地域で暮らしている人と同じ権利を保障すべく、
入所施設は高いQOLを維持するケアを行わなければならない、というもの。

1987年のNursing Home Reform Lawで保護されている
ナーシング・ホームで暮らす人の権利は、以下。

以下について十分な説明を受ける権利
・利用可能なサービスとそれぞれの値段
・施設の規則や既定。施設で暮らす人の権利を記した文書も含む
・州のオンブズマンと監督機関の住所と電話番号
・州の監査報告とホームの是正計画
・部屋や同室者の変更は前もって
・感覚障害がある人の援助
点字や外国語を含め、理解可能な言語により説明を受ける権利

不服を申し立てる権利
・報復の不安なくスタッフその他への苦情を申し立て、施設から解決に向け迅速な努力をしてもらう権利
オンブズマン制度を利用して不服を申し立てる権利
・州の監督機関や認可の権限を持った機関に不服を申し立てる権利

ケアに参加する権利
・十分で適切なケアを受ける権利
・健康状態の変化をすべて説明してもらう権利
・自分のアセスメント、介護・治療・退所の計画に参画する権利
・薬や治療を拒否する権利
・薬物によるまたは物理的な拘束を拒否する権利
・自分のカルテをチェックする権利
・メディケイドまたはメディケア給付のサービスを無料で受ける権利

プライバシーと守秘の権利
・自分が選んだ人と自由に制約のないコミュニケーションを行う。また、その内容が漏らされない権利
・医療と介護を受けるに当たってプライバシーが守られる権利
・健康情報も金銭的な状況を含め個人的な事情も守秘される権利

転所・退所に関わる権利
・転所または退所しない限り介護施設に留まる権利
・転所・退所が必要または適切とされるのは以下の場合
(a)それが入所者の福祉のためになる場合
(b)入所者の健康状態が改善してこれ以上の入所が必要でなくなった場合
(c)他の入所はまたはスタッフの健康と安全を守るために必要な場合
(d)通知したにも関わらず入所者が求めた施設利用や物品、サービスへの費用を払わない場合
・30日前までに理由、実行日、転所・退所先、異議申し立ての権利、さらに州の介護オンブズマンの住所・電話番号を含めて通知される権利
・ナーシング・ホーム側による十分な準備で安全に転所・退所できる権利

尊厳、敬意、自由への権利
・配慮、敬意と尊厳を持って扱われる権利
・心身への虐待、体罰、強制的な隔離、薬物または物理的な拘束を受けることがない権利
・自分で決める権利
・持ち物が守られる権利

以下の人々の訪問を受ける権利
・主治医、州の監督機関やオンブズマン制度から派遣される人
・近親者、友人、その他、入所者が選んだ人
・医療、福祉、法律その他のサービス機関
・入所者には訪問者を拒む権利がある

自分で選択する権利
・何を着て自由な時間をどう過ごすかなど自分のことを自分で決める権利
・ニーズや好みに常識的な形で応えてもらう(reasonable accommodation)権利
・医師を選ぶ権利
・ホーム内外のコミュニティの活動に参加する権利
・入所者会議を組織し参加する権利
・自分の金銭については自分で管理する権利

Residents’ Rights
The National Consumer Voice for Quality Long-Term Care