「死んだ娘の卵子を採取・冷凍したい」裁判所が認める(イスラエル)

恐らく世界で初めてではないか、と言われているらしい、イスラエルの判決で、

交通事故で死んだ17歳の少女から、
卵子を採取、冷凍保存することが家族に認められた。

凍結胚の方が凍結卵子よりも着床率がよいため、
家族はドナーの精子を使って胚にした上で冷凍保存することを望んだが、

そちらの望みは認められなかった。

すでに採取と冷凍保存は終わっているとのこと。


少女の名前は Chen Aida Ayashさん。
「事故から1週間後に亡くなった」後で、
家族は臓器提供に同意し、

さらに卵子の採取などへの許可を裁判所に求めたもの。

今回、家族の要望の理由や動機は一切公表されていないが、

イスラエルで New Family という家族の権利アドボケイト団体を
立ち上げた弁護士 Irit Rosenblum氏は
問題は本人の同意だろう、と。

たとえ17歳であっても、
子どもを産んで子孫を残したいという望みを口にしていたとすれば、
そして「それを家族が事実として証明できれば、
特に許可しない理由は見当たりません」

男性の精子が死後に採取された前例は沢山あり、

イスラエルでも2007年に代理母を利用して孫がほしいと
望んだ両親の願いがかなえられたケースもあるし、

今年初めにも、さらに1家族から
亡くなった息子の精子で孫がほしいと訴訟が起きている。

Rosenblum氏は Ayashさんの卵子で子どもを作るには
生物学上の父親が育てることが条件になる必要がある、
子どもにとっては匿名のドナーの生殖子よりも
自分の生物学上のつながりが分かる方が望ましいから、と。

最近あったケースで、
IVFで複数の胚を作ったところで妻の方にがんが分かった夫婦がおり、
妻の死後2年経って、子どもを作ろうとした妻との約束を果たそうとしたが
イスラエルの法律は代理母を認めず、男性は米国へ。

Rosenblum氏によれば、この子どもは
生物学上の母親の死後長い時間が経ってから生まれた世界で初めての子どもだとのこと。



「事故から1週間後に亡くなった」という表現に続いて
「水曜日に脳死と診断された」という表現が使われており、
その両者がどういう関係にあるのか、は不明。

また、提供された臓器は複数形になっているけれど、
どの臓器が提供されたのかも不明。