2011年7月25日の補遺

英国の科学者や倫理学者から、人間の脳細胞を埋め込まれたり、ダウン症の症状を創り出されたマウスなど、人間の細胞や遺伝子を持つ動物実験が既に広く行われていることについて、政治がもっと介入して規制すべきだ、との提言
http://www.guardian.co.uk/science/2011/jul/22/medical-research-humans-animals-regulation?CMP=EMCGT_220711&

King’s College Londonの調査で、ホスピスの患者の中に少数ながら一定数、死を早めてほしいと望む人がいる、との結果が報告された。思わず、ゲンナリしたのは、「死を早めてほしいと望むこと」に“いかにも”な名前がつけられてしまったらしいこと。その名もDHD。Desire for hastened death だって。そればかりか、この記事の冒頭で使われている文言は、symptoms of DHD。「DHDの症状」。DHDってな、だから、ほら、医療的に対応すべき症状である、と。もちろんウツ病患者の希死念慮とは、全く別の文脈。
http://www.healthjockey.com/2011/07/23/small-number-of-patients-allegedly-desire-hastened-death/

ハーブを研究してきた学者であった母親が認知症になり、こんな自分として生きていたくないと望むのを受けて、介護しているシングル・マザーの娘が殺す……というストーリーのメキシコ映画「グッド・ハーブ」が話題になっているらしい。予告編によれば、国際映画賞をいくつも取っている。地球規模での洗脳作戦が始まっている……?
http://www.action-inc.co.jp/hierbas/story.html

ハリケーンカトリーナの際に安楽死事件のあったMemorial General Hospitalに取り残されて死んだ患者の遺族による集団訴訟で、ニュー・オーリンズの裁判所は2500万ドルの賠償金の支払いでの和解を認めた。災害時の非難計画や体制の不備に対して。
http://www.propublica.org/article/class-action-suit-filed-after-katrina-hospital-deaths-settled-for-25-millio

オーストラリアでロックト・イン症候群の男性が殺してくれと望んでいる
http://www.theaustralian.com.au/news/world/stroke-victim-pleads-for-death-sentence/story-e6frg6so-1226100025171

トロントの弁護士 Garry J. WiseがブログでRasouli事件を解説している。
http://wiselaw.blogspot.com/2011/07/this-week-at-ontario-court-of-appeal-11_22.html


文京区議会議員 海津敦子さんのブログの昨日のエントリーで「日本産婦人科学会の調査で。胎児の染色体異常などを調べる出生前診断によって、胎児に何かしらの異常を診断され人工中絶したと推定されるケースが10年間に倍増していること」について。子育て支援の状況との関連が指摘されている。
http://blogs.yahoo.co.jp/bunkyokugi/4965081.html

そういえば、去年、米国の倫理学者Arther Caplanが、ダウン症児が少なくなって、ダウン症プログラムや支援しようとする社会の機運まで失われてきた米国の実態について書いていた。
遺伝子診断で激減の遺伝病、それが社会に及ぼす影響とは?(2010/9/10)