強制なしに高接種率を誇る日本、実は「ワクチン先進国」?

一昨日、“Ashley療法”関連のカン違いで、はた迷惑な大騒ぎを演じてしまった際に、
Cambridge Quarterly of Healthcare Ethicsの最新号のサイトで
以下の論文が、たまたま目についた。

東京大学公共政策大学院の赤林朗氏の
子どものワクチン施策に関する共著論文で、

Japanese Childhood Vaccination Policy
Peter Doshi and Akira Akabayashi
Cambridge Quarterly of Healthcare Ethics, Volulme 19, Issue 03
July 2010

こちらは、“Ashley療法”がらみの論文と違ってアブストラクトが読めたので、以下に。

The ethical tension in childhood vaccination policies is often framed as one of balancing the value of choice with the duty to protect. Because infectious diseases spread from person to person, unvaccinated children are usually described as putting others around them at risk, violating a perceived right to be protected from harm. Editors of Lancet Infectious Diseases recently argued against mandatory vaccination, reminding us that the resort to mandatory vaccination as a means of achieving high vaccination rates is still very much a topic of Western vaccine debates. The nation of Japan offers an interesting case study in childhood vaccination policy, as it has an entirely voluntary (opt-in) system that achieves high vaccination rates. In this paper, we offer an overview of Japanese childhood vaccine policy, suggest some ways to contextualize and understand how a voluntary system achieves high vaccination rates, and speculate on what the future of Japanese vaccination policymaking and government–public relations may hold.


へぇぇぇぇ……。

私たちは現在、日本はワクチン後進国で、
国際レベルからすると遅れているんだと耳にタコができそうなくらい
聞かされ続けているのだけれど、

赤林氏らによれば、日本は
全く強制なしでも高い接種率を誇っている稀有な国であるらしい。

欧米では義務付けなければ接種率が上がらなくて、
個人の選択権か公共の安全かという議論になっているのは、
当ブログでもDiekema医師の発言などを中心に追いかけてきた通り。
(詳細は文末の関連エントリーに)

そこで、赤林氏の論文は、
日本ではなぜ任意接種にしても接種率が高いのかを
ご参考までに分析してみましょう、という趣旨のように思われます。

その要因の1つは、私が思うには
日本では製薬会社のスキャンダルがまともに報道されないために
製薬会社や医薬行政そのものへの不信感がないこと。

(スキャンダルだけじゃなくて不可解な治験の実態まで隠されていたりもする?)

ワクチンを巡って起こっている諸々や陰謀説についても、
日本ではほとんど知られていないこと。

日本の我々一般国民は、
なんとなく「おかみ」のすることを無邪気に信頼していること。

でも、まさか論文で、そんなのを日本の高接種率の要因としたのでは
結論が、欧米でもメディアの口を封じて国民に情報が届かないようにしましょう……
みたいなことになってしまうから、

もちろん別の分析になっているのだとは思うけど。


で、最後に、今後の日本のワクチン施策の方向性について
考察してみましょう、という辺りがどういう内容なのか、

なんとなく、
今後、子どもに接種されるワクチンの種類が増えていくにつれて、
任意接種のままで高接種率を維持するには、やはり公的助成が不可欠、という
方向に向かっているのかも……と気にはなるのだけど、
そこはアブストラクトだから全く分からなくて残念。

ともあれ、
日本は、必ずしも「ワクチン後進国」というばかりではなくて、
ある意味、むしろ欧米諸国の範たるべき「ワクチン先進国」なのらしいから、

その点、ちゃんと覚えておきましょう。





【追記】

この記事を一応書いてアップすべく寝かせている間に読み始めた
「ビルダーバーグ倶楽部」に、以下のようなくだりがあった。

ビルダーバーグ会議の秘密の計画では
2050年までに戦争、飢餓、疾病を通じて世界人口を40億削減する予定で、
その計画完了後に残る20億人のうち、中国人と日本人は合わせて5億人とされている。

その理由はジョン・コールマン博士によると、
「彼らはその生活を何世紀にもわたって画一的に管理されてきたので、
余計な疑問を持たないまま権力に従うことに慣れているからだ」。
(p.80)