2010年6月22日の補遺

NIH(国立衛生研究所)が公的資金によるいくつかの研究にES細胞株の使用を認めず。Obama政権下での新たなガイドラインに照らしてもインフォームド・コンセント規定への違反が認められたため。具体的には、研究利用が要望されたのはCF、ハンチントン、筋ジスなどの遺伝病の遺伝子変異を持つ細胞株で、生殖補助医療のクリニックで、遺伝病があるために廃棄されることになった胚が夫婦の同意を得て提供されたもの。しかし、提供の際の説明文書の文言が曖昧であること、また夫婦がいかなる理由であれクリニックを訴えないよう、あらゆる権利を放棄すると署名させられていたことなどが問題視された。:生殖補助医療クリニックで「遺伝病があるなら要りません」と拒否され、廃棄されることになった胚が、“持ち主”である夫婦の同意を経て提供されて、研究利用されていく……。その病気を解明して、治療法を見つけることに繋がるのだから、といって……。この行為をおぞましいと感じるかどうか、という点が、誰かの命を救うためなら、「どうせ死んだも同然の人」や「どうせ間もなく死ぬ人」、「生きているし、助けることも可能だとしても、どうせ重症障害者」は死なせてもいいと考えることにおぞましさを感じるかどうか、という点にもつながっているような気がする。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/06/21/AR2010062104395.html?wpisrc=nl_cuzhead

今週は英国 Mencapの知的障害啓発週間。障害があっても差別されずに医療を受けることができるように。治療すれば50%の確率で治ると言われたのに、障害があるからと治療を拒まれて26歳で亡くなったEmma。「ノーマルな人だったら躊躇せずに治療するんだけどね」。:Mencapが去年、Emmaのケースを含めて何人か、医療職の偏見のために命を落とした知的障害者のケースをオンブズマンに訴えて、改善勧告を勝ち取ったことは、いくつかのエントリーにまとめました。
http://www.mencap.org.uk/page.asp?id=9879

繊維筋痛症は「大きな可能性を持つ市場」(日本語)
http://www.spi-information.com/report/00795.html