「生殖補助医療を受けるカップルには先天性奇形のリスクを警告して」と研究者

昨夜書いて、寝かせておいたら、
今朝がた類似記事にTBしてくださった方がありました。
このニュースはAFPで日本語でも報じられているようですが、

生殖補助医療で子どもを産もうとするカップルに
医師は「奇形のリスクがありますよ」とちゃんと警告するように……と
フランスの科学者たちが。

33の生殖補助医療クリニックで生まれた15000人の記録を調べたところ、
以前の小規模な調査で出た11%という確率よりは低かったものの、
全体の4%の子どもに何らかの大きな先天的奇形があることが分かった。

一般には、その確率は2―3%だから
生殖補助医療で生まれた子どもでは明らかに高く、
心臓病と生殖器・泌尿器の形成異常がパーセントを押し上げている。
これらは女児よりも男児で多い。

また血管腫、皮膚表面に近い小さな血管でできた良性の腫瘍などでは
発生率は通常の5倍に上り、こちらは女児の方が男児の2倍の高率。

もちろん複数の要因が関与していると思われ、
それぞれがどのように関係しているかについては更なる研究が必要だが、

「すべての医師と政治家が、これについて知らされることが重要。
生殖医療技術によって生まれた子ども全員をフォローして
どの治療がこの問題に関与しているかを突き止めるべく、
もっと力を尽くさなければならない」と
The European Society of Human GeneticsのDr. Viot。



すごく、気になるのは
その4%の子どもたちは、一体どうなったんだろう……ということ。

フランスではどうかわからないけど、
英国では、例えば口蓋裂とか内反足程度の“奇形”でも
出産途上まで中絶が可能だったりもするわけで……。

……あ、でも、記事によると「生殖医療の後に生まれた子ども」を調べたと書いてあるので、
それは、最終的に生まれてきた子どもたちのうちの4%ということなんですよね。

……だとすると、生殖補助医療による先天異常の発生率は
実際には、もっと高いという可能性もあるんじゃないのかな?????


それから、もう1つ疑問に思うのは、

これまでの生殖補助医療の歴史の長さを考えたら、
そういう調査や研究が、なぜ今まで十分にされないままになっていたんだろう……? 


  
ちなみに、
これまでの当ブログの生殖補助医療に関するエントリーを
以下にざっと抜いてみると、








タイトルだけを眺めてみても、

英・米・豪の生殖補助医療業界は、これまで
技術の安全性にも、代理母を含めた母体のリスクにも、生まれてくる子どもの福祉にも、
実は大して関心はなくて、

いかに生殖子を確保して症例件数を増やすか、
いかに高齢出産記録を超えてみせるか、
いかに無事に生ませる多胎児の数の記録を超えてみせるか、
などなど、単なる競争に血道を上げているだけ……

……という実態が伺われてくるような……。