2010年5月14日の補遺

Mental Capacity Act 2005で、2007年に英国に保護裁判所というものができた。The Court of Protection.自分で諸々の処理ができない人の世話をする人を任命する。審理は非公開。目が見えなくて自閉症と知的障害のある30歳のピアニストの男性に、これまでOfficial Solicitorが任命されていたのだけれど、今後は離婚している両親と姉に、という決定が昨日、出た。非公開の審理過程が議論に。この人の場合はピアニストとあって、音楽活動の利益つまり本人の資産が相当ある。:MCAが出た時から気になっていたことではあるけど、ここにもまた、終末期医療の中止とか自殺幇助の議論と繋がる危うさがある。介護の問題、代理決定、権利擁護の問題では家族の利益は必ずしも本人の利益と一致しないことを、もっと現実問題として考えに入れるべきだといつも思う。
http://business.timesonline.co.uk/tol/business/law/article7125910.ece

慢性疲労症候群の原因は心理的なものではなく、ウイルスだという説が出てきている。写真は、去年、母親による慈悲殺が美談になったME患者、Lynn Gilderdaleさん。その写真の下にはHer mother helped her to dieという表現が使われて、それでもって慈悲殺を肯定している。これもまた、メディアによる世論操作の一つ。Guardianが意識的にやっているのかどうかは知れないけど。
http://www.guardian.co.uk/society/2010/may/13/me-chronic-fatigue-syndrome

昨日出ていた8歳の女児レイプの裁判で、女児がレイプを否定。:一体なんなの、この裁判は? 昨日は警察での証言テープが流されただけだったけど、今日は現場に連れて行った後、別の場所で質問に答えさせて、その様子がビデオで法廷に流されている。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/crime/article7125357.ece

英国の連立政権の予算削減案で、ミドルクラスの子ども手当てが対象に。
http://www.guardian.co.uk/politics/2010/may/13/spending-cuts-child-benefits-deficit

世界のエイズ感染者が毎年100万人単位で増えている一方、世界不況で先進国からの資金援助が鈍っている。
http://www.nytimes.com/2010/05/14/opinion/14fri2.html?th&emc=th