リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事

マラリア
結核
アルツハイマー
エイズ
パンデミック・インフルエンザ
性器ヘルペス
尿路感染
植物起因のアレルギー
旅行先での下痢

こういうのを予防するワクチン、今後5年以内に売り出されるかも。

……というのも、
利益が大きい、テクノロジーがそれだけ進んだ、政府もテコ入れしている、とあって、
ワクチンはオイシイと製薬業界が成長戦略の食指を動かしているから。

今後5年間で3分の1の増加が見込まれている処方薬に対して、
ワクチンは去年の190億ドルから13年には390億ドルもの急成長が予測されており、
ワクチンの売り上げが80億ドルしかなかった04年からすると、なんと5倍にも。

米国政府が子どもに接種を推奨するワクチンは現在17種類で
1985年当時の2倍以上。

18歳以上にも6種類か、人によっては10種類の接種が推奨されている。

04年にインフルエンザのワクチンが問題視されて下火になって以来、
ワクチンに力を入れてこなかった企業が、次々に再参入しているし、

特に豚インフルのパンデミック騒ぎで、この動きが急加速している。

既に、豚インフル・ワクチンの次を見越して
インフルエンザ全般に効くワクチンの開発に手をつけている企業も。

Vaccines on Horizon forAIDS, Alzheimer’s, herpes]
The WP, November 18, 2009


な~んだか、なぁ……。

読んでいると、医療関連記事というよりも、
これ、トーンは完璧、ビジネス記事――。

「これからは黄金時代だ」とか
「これまで、どこも干上がっていたけど、今はどこもかしこも潤っている」とか
「がっぽり儲かる(real money)」とか。

リスクの “リ” の字も出てこない、ワクチン開発記事――。


            ――――――

これ読んで、どうしても頭に浮かぶのは
処方薬の多剤投与の問題

そういえば11月号の「介護保険情報」でも
認知症の人と家族の会顧問の三宅貴夫医師が
連載「認知症の人と家族を支える(事例篇)8」の注において次のように書いている。

わが国では高齢者への多剤投与が日常的に行われていると思われるが、
なぜかあまり問題視されない。

当ブログでもニュースを拾っているように、
英国では、最近にわかに問題視されているのだけど。