NC州に優生手術の歴史を認める記念碑

NC州では、
エセ科学と州当局が主導したプログラムによって
優生委員会の了承の元に、20世紀中に7600人以上が不妊手術を強制された。

プログラムは1929年から1970年まで続き、
NC以外にも31の州で優生法が成立した。

多くの州が40年代にはだんだんと行わなくなっていった中、
NC州は逆に不妊手術を増やしていった。

そうした歴史への反省として、
2年前には州の歴史博物館に優生思想の時代の展示を開始したが

今度はRaleighのダウンタウン、最初の優生会議が行われた場所の近くに、
強制的不妊手術の歴史的事実を記したマーカー(碑というよりもパネル状のもの?)が設置され、
月曜日に除幕式が行われた。

NC州全域に設置された史跡のマーカー1538のうちの1つで、
このマーカーにかかる製作費用は1475ドル。

除幕した州の議員は優生手術の犠牲者のアドボケイトで
NCは他の州よりも多くの努力をしてきたと述べているが、
いまだに補償は行われていない。

Marker recalls eugenics victims
It will be unveiled at ceremony in Raleigh,
Winston-Salem Journal, June 21, 2009


これを読んで目を引かれたのは
優生プログラムの開始が1929年だったという点。
1926年の世界恐慌の直後ということになる。

やっぱり、すごく符合するんだなぁ……と思う。

世界的な不況──。
ヘイトクライムの急増──。
その突出した形としての民族差別、障害者差別、女性差別──。
あちこちで起きている戦争。さらに起こるかもしれない戦争──。
そして、エセ科学の横行──。

(人間の脳やDNAについて、
ほんのわずかなことが解明できたからといって、
それで、すぐにも人間の全てが説明できたり、
体も心も頭も思い通りにコントロールできるかのように
世論を煽り立てるのも立派なエセ科学だと私は思うし)

そして、かつて専門家の権威でそのエセ科学の正当性をでっち上げた
優生委員会に当たる存在として、

今では例の生命倫理とか医療倫理だとかいうご都合主義の御用学問があり、

誰かの必要によって操作可能と思われる(Ashley事件がその証左かも)倫理委員会なる仕組みも
アリバイ作りの装置として、でっち上げられている。

そっくりだ……。

使える科学技術のレベルが断然違うだけで──。