2009年6月19日の補遺

これはちょっと面白い視点。自分で意思決定をする能力をなくした患者の終末期医療では担当医師が治療差し控えの決定をしていることが多いが、医師は案外法律に暗いので、自分がやっていることが本当に合法なのか、知っていなかったりする。で、医師にきちんと代理決定の手続きなどに関する法律を学んでもらうことで、終末期のケアが改善されるのでは、と。英国のニュース。(後でよく考えてみたら、医師は関連法律を知っているとの前提で医療は成り立っているはずなのに……。あ、でも、そういえば、あの射水のドクターも脳死の定義すらロクに知らないで呼吸器はずしてたよね……)
http://www.medicalnewstoday.com:80/articles/154366.php

オーバードースの危険性があるとして痛み止めの認可を取り消したら、患者や医師らにいたく不評だったのだけど、自殺・事故死が350件も減少した、と。まともに読んでないから、ちゃんと書いてあるのかもしれないけど、因果関係、証明できるのかな。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8107546.stm

リタリンが子どもにとって安全なのなら、健康な大人が脳機能を向上させるために飲んだってかまわないじゃないか、と。Manchester大学の生命倫理学者 John Harris。すでに用いている大学生は沢山いる、と。頭がいいだけのトンデモヒューマニスティック・バカがここにも一人。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8106957.stm

米:これ、前にも科学者の内部告発でニュースになっていたけど、ついに政府機関が調査した模様。FDAに報告される多数の医療機器の不備や事故について、FDAの調査がまったく追いついていないまま放置されていることの危険性をGAOが指摘。その直前にProPublicaとChicago Tribune も調査を始めていたという。調査ジャーナリズムを死なせてはならないと考えている人も多い。このGAOって、この前、米国の学校で教師による障害児への虐待が行われていると報告をまとめたところ。こういうお役所、日本だとどこに当たるんだろう? 政府の諸々の仕事のアカウンタビリティを監督する部局って?
http://www.propublica.org/feature/device-complaints-slip-through-the-cracks-at-fda-617

菅谷さんが無罪になった直後だけに、酷さが際立って感じられる。米最高裁が、有罪が確定した後の囚人にDNA検査を受ける憲法上の権利を認めず。一律に憲法根拠の保障はしない、個別に権利を認める判断は州に、という話だと思うのだけど。これまでに全米で17人の死刑囚を含む240人が一転無罪となっているが、こうも科学で覆されると、司法制度に対する信頼そのものが揺らいで困る、という感じも漂っていないこともないような……。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/18/AR2009061801610.html

上の最高裁の決定をNY Times が社説で批判。あいた口がふさがらない。そりゃ、そうでしょう。
http://www.nytimes.com/2009/06/19/opinion/19fri1.html?_r=1&th&emc=th

米上院が250年間続いた奴隷制度を謝罪する決議を全会一致で採択。下院は去年出したらしい。ただし謝罪は保障の問題とは切り離してあるので、その点はまだ不透明。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/18/AR2009061803877.html

大西洋の真上で機長が死亡。副機長二人が遺体を席から下ろして操縦を代わり、見事に予定通りに飛行、目的地の空港に着陸、通常のアナウンス。乗客はまったく異常に気づかなかった、と。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/18/AR2009061801801.html