ICなしの外傷患者臨床実験、死亡者増で中止に

米国 the National Heart, Lung and Blood Instituteがスポンサーとなった研究で
外傷のためや出血性ショックで意識がなかったり、はっきりしないために
インフォームド・コンセントが与えられない患者に
救急車の中で通常の濃度よりも高い生理的食塩水を与えたり、
時にはそこにデキストランを加えていた。

連邦政府の資金を受け、総額5000千万ドル、
5年間かけて行う予定の3部の研究の1で、
自動車事故、銃撃や心臓麻痺その他緊急時の治療の改善を目的とするもの。

このような状況下では本人の意識がない場合が多く、一刻を争う場面でもあるために
本人からも家族からもインフォームドコンセントはとりにくい。

しかし、連邦政府が研究者らにICなしでの医療実験を認めた研究の中では
最も思い切った内容のもの。

しかし、その実験で対象となって通常と異なった輸液を投与された患者の中で
死亡率が高くなっていることがこのたび判明し、実験は中止となった。

こんな実験は倫理的に許されない、との批判も。

Part of Study Testing Trauma Treatment Is Shut Down
The Washington Post, March 27, 2009


ある程度のデータも記事にはありますが、
「もっと分析が必要だから」と研究者はあまり詳しいデーターを出しておらず、
なんだか、読んでみても、実態がイマイチはっきりしないところが不気味。