シャイボ事件のドキュメンタリー映画:新事実も

多くの著書のあるキリスト教系のプロライフ活動家で
障害当事者でもあるJoni Eareckson Tadaさんは

“Ashley療法”論争のごく初期の2007年1月12日、
CNNのLarry King Liveに生出演して
Diekema、Fost両医師を相手に果敢な批判を繰り広げてくれた人物。

もっとも揺ぎのない視点で反論をしてくれた人として
私にとっては非常に印象的な存在なのですが、

2005年のTerry Shiavo 事件の際には
栄養と水分供給停止の判断に反対する運動をリードした人でもあります。

このたび、彼女をホストとして
Shiavo 事件のドキュメンタリー映画 the Terry Shiavo Story が作成されました。

事件の関係者へのインタビューを始め、
これまでメディアで報じられることのなかった新事実も盛り込まれているとのこと。

こちらで予告編が見られるので
ぜひ、1人でも多くの人にShiavoさんの姿を見てほしい。

特に、彼女の目の表情を見てほしい。

最後まで母親の語りかけには反応があったとナレーションにあります。

身体は思い通りにならなかったかもしれないけれど、
こんなにも目で反応できている人が
「息をしているだけで何も分からない」と判断されて
既に他の女性と暮らしている夫の代理決定によって
しかも最終的には裁判所の判断と命令によって
餓死させられてしまったのです。

この人が「どうせ何も分からない」と決め付けられたということに、私は
Ashleyが「生後3ヶ月の赤ん坊と同じだ」と決め付けられたのと同じ、やりきれなさと
科学者であるはずの医師の無責任に憤りを感じる。

“Ashley療法”論争の際に、
「これはShiavo事件と同じだ」との批判が出ていたけど
事件の本質はまったくその指摘の通りだと改めて思う。

「わかっている」ということが完全に証明できないとしても、
「わかっていない」ということも完全に証明できない以上、どちらも可能性に過ぎず、従って、
「わかっていない」という結論は下せない――。

それこそが科学的なリーズニングというものではないのか?

なぜ、1人の人間の命がかかっている判断において
「分かっていない可能性があるから殺す」ではなく
「分かっている可能性もあるから殺さない」と判断できないのか。


       ―――――――

17,95ドルでDVDが販売されているので、
日本でも見られるなら買いたいのですが、
リージョンがどうなっているのか、ちょっと気になっているところ。

amazon.com でも購入できるらしいのですが、昨日覗いてみた限りでは見当たらず)