ノーベル賞選考過程にHPVワクチン特許持つアストラゼネカ関与の疑惑

今年のノーベル医学賞受賞者の1人は
子宮がんの原因となるヒトパピローマ・ウイルス(HPV)を発見したDr. Harald zur Hausenですが、
HPVワクチンを製造販売している製薬会社 Astra Zenecaが
この選考過程に不当に関与した疑いが出て、
スウェーデン検察局が調査を行うパネルを立ち上げた、とのこと。

ノーベル委員会委員への贈賄や
同社がノーベル財団のウエブサイトのスポンサーとなるなどを通じて
不当に影響力を行使したなどの疑い。

また、ノーベル賞候補を選考する委員会の委員長であるBertil Fredholm氏は
2006年に同社から報酬をもらってコンサルタントを務めていたことも明らかに。

HPVワクチンを製造しているのは他社なのだけれど、
そのうち2種の製造で特許を持つコンポーネントを開発した会社を
AstraZenecaは去年買収している。

つまり、
ヒトパピローマ・ウイルスの発見がノーベル賞の栄誉に輝けば
計り知れない利益がもたらされる会社だったというわけですね。

それにしても、ここまでするのか、製薬会社……。



以下の関連エントリーで見てきたように
HPVワクチンについては
米国でも義務化に向けてロビー活動が盛んに行われたことから国民の反発を招き、
英国でも保護者らが義務化への動きに反発を強めている様子。

日本でも以下の「検索結果の怪」のエントリーに書いたような
妙なサイトが出現しています。

なぜアメリカの親たちがあんなに強硬にワクチン接種を拒否するのか
私は当初ちっとも理解できなかったのですが、
英米での製薬会社の「人が死ぬのも全然お構いなし」の営利優先主義、倫理観の欠落が
その背景にはきっとあるのだなぁ……と思えてきました。

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同じワクチンでも話はちょっとズレますが、
アフリカでの治験では字が読めない人が多い国もあるので
危険性をきちんと了解した上で被験者となることに同意しているかどうか……という話を
昨日だったか新聞で読みました。

ゲイツ財団の資金でマラリア・ワクチンの開発が進められていることを思い出し、
あのワクチンの臨床実験もアフリカで行われているんだったなぁ……と。

そういえば「ナイロビの蜂」という映画もありましたっけ。