米国初顔面移植「これまでで一番広範囲」と胸を張る

Cleveland Clinicが発表したところによると、
顔を損傷した女性の顔に死亡したドナーから顔面の80%を移植したとのこと。

顔面移植ではこれまでフランスで2例と中国で1例が実施されており、
米国では初。

そうなると、当たり前のことながら
「ウチは80%を移植して、ほとんどフル・フェイスの移植だから
 これまでのどの症例よりも広範にやった」と
それはもう胸を張っておられるわけですが

世界初のフランス女性の顔面移植については
1年後の経過報告の論文が出されており
概ね良好と報告されてはいますが、
文末のエントリーで紹介したように
腎機能に障害が起きたり、拒絶反応が起きたりしています。

非常に強い免疫抑制剤を飲まなければならず、
万一飲むのを止めた時には移植した顔面の肉がずり落ちてきて
悲惨なことになって取り返しがつかないのだとか。



それにしても、これもまた
高額な医療費が決して問題視されることのない分野。

いまごろ世界のあちこちで
クリーブランドが80%をやった。
 どこかにフル・フェイスでやれる患者はいないか」と
移植医が焦っていることでしょう。

見る影もないほど顔を損傷して
飲み食いすら不自由になった患者の苦悩を
黙って見ているわけには行かないですから。

自分の意思さえ満足に伝えられないほどの重い障害を負い、
身動きすら不自由になった患者の苦悩は
黙ってみているわけには行かないから
死なせてあげればよいと考える医師が多いみたいですけど。


【追記】

翌日の続報(BBC)がこちら