精神障害の9歳児を養護学校で手錠をかけて逮捕(米・フロリダ州)
統合失調症、強迫神経症とADHDの診断が出ているという(母親情報)9歳の女児が
フロリダの養護学校のタイムアウト・ルーム(落ち着くための部屋)で
手がつけられない暴れ方をして、逮捕される、という事件が
10月14日に起きています。
フロリダの養護学校のタイムアウト・ルーム(落ち着くための部屋)で
手がつけられない暴れ方をして、逮捕される、という事件が
10月14日に起きています。
スクール・ディストリクトも
「子どもの逮捕は最後の手段だが
学校もすべての子どもにすべてのことをできるわけではなく
状況によっては学校外の支援も求めることになる。
今の行政制度では地域を巻き込みドミノ的に支援を行うためには
警察の介入を求めるしかなかった」
「子どもの逮捕は最後の手段だが
学校もすべての子どもにすべてのことをできるわけではなく
状況によっては学校外の支援も求めることになる。
今の行政制度では地域を巻き込みドミノ的に支援を行うためには
警察の介入を求めるしかなかった」
しかし、郡の精神衛生福祉を担当する子ども家族局がそのケースについて知ったのは
逮捕の翌日のこと。
逮捕の翌日のこと。
母親は
「大変な子どもだということは分かっているが、それがこの子の病気。
いくらなんでも9歳に投獄はないだろう」と。
「大変な子どもだということは分かっているが、それがこの子の病気。
いくらなんでも9歳に投獄はないだろう」と。
「もう親としてこれ以上どうしたらいいのか分からない。
途方にくれている」とも。
途方にくれている」とも。
その日、少女は教師への暴力で受けた停学処分が解けて登校して来たばかり。
登校から2時間後に警察が呼ばれています。
登校から2時間後に警察が呼ばれています。
行政サイドの説明では
制止する教師にツバを吐きかける、蹴る、椅子を投げつける、
ドアを教師めがけて蹴る、ナイフで刺すと脅す……などの行為が挙げられています。
制止する教師にツバを吐きかける、蹴る、椅子を投げつける、
ドアを教師めがけて蹴る、ナイフで刺すと脅す……などの行為が挙げられています。
(あまり裕福そうではない黒人一家にとって
これは痛手だったろうと推測されます。)
これは痛手だったろうと推測されます。)
クリニックで精神科の治療も受けていましたが、
何種類かの薬を服薬しても効き目がなく、
医師から実験的な薬を勧められて母親が拒んでいるうちに転居。
転居先で精神科の予約が取れず、そのままになっていたと母親の談。
何種類かの薬を服薬しても効き目がなく、
医師から実験的な薬を勧められて母親が拒んでいるうちに転居。
転居先で精神科の予約が取れず、そのままになっていたと母親の談。
(経済的な理由で受診しにくかったということもあるのかも?)
子ども家族局は報道を受けて、
郡の精神医療の中核を担う機関にアセスメント受診の予約手続き中とのこと。
しかし、その機関では成人の精神障害者の入院が増加しており、
子どものケースにまで手が回っていないのが実情だとの指摘も。
郡の精神医療の中核を担う機関にアセスメント受診の予約手続き中とのこと。
しかし、その機関では成人の精神障害者の入院が増加しており、
子どものケースにまで手が回っていないのが実情だとの指摘も。
郡の青少年アセスメント・センターが去年、犯罪行為で対応した9歳以下の子どもは19人。
今年は今までに9歳以下は9人。10歳が13人、11歳は21人にも及ぶ、とのこと。
今年は今までに9歳以下は9人。10歳が13人、11歳は21人にも及ぶ、とのこと。
あっちもこっちも予算削減で、
地域の精神保健・医療サービスはどんどん減ってきています。
学校もできることが非常に限られている。
これは、親はサービスを利用できなくて困っているということです。
成人の場合だと精神医療裁判所があって、
薬物裁判所と似たような機能を担っているので
青少年の司法制度にも同じものがあればいいのですが、
ここでもやはり予算が足りないという話になってしまいます。
地域の精神保健・医療サービスはどんどん減ってきています。
学校もできることが非常に限られている。
これは、親はサービスを利用できなくて困っているということです。
成人の場合だと精神医療裁判所があって、
薬物裁判所と似たような機能を担っているので
青少年の司法制度にも同じものがあればいいのですが、
ここでもやはり予算が足りないという話になってしまいます。
さらに、記事以上に考え込まされるのは
記事に寄せられたコメント。
記事に寄せられたコメント。
一方にはIDEAの理念はどうなっているんだ、
IDEAで保障された『しかるべき手続き』が行われていないじゃないか、と
教育現場の無責任を問う声や、
IDEAで保障された『しかるべき手続き』が行われていないじゃないか、と
教育現場の無責任を問う声や、
とても気がかりなこととして、
「昔の子どもは親にぶったたかれて育ったから
年長者への敬意も社会秩序の尊重も身についていたのだ。
こういう子どもには体罰(good spanking)が一番」
「やったことには報いがあるのだと教えなければ」
と、体罰復活論と懲罰主義の大合唱。
「昔の子どもは親にぶったたかれて育ったから
年長者への敬意も社会秩序の尊重も身についていたのだ。
こういう子どもには体罰(good spanking)が一番」
「やったことには報いがあるのだと教えなければ」
と、体罰復活論と懲罰主義の大合唱。
精神障害の存在すら考える必要を否定するかのような。
いや、もしかしたら、
その手間とコストすら省きたいというホンネも
どこからか時間の問題で聞こえ始めるのかも。
その手間とコストすら省きたいというホンネも
どこからか時間の問題で聞こえ始めるのかも。
親や学校、地域が子どものケアを担えるだけの支援を丁寧に整備していく手間とコストは
その必要が真剣に云々されず、手当てもされないまま、
その必要が真剣に云々されず、手当てもされないまま、
障害者をジャマ者として排除する空気だけが
世界のあちこちで着実に広がっていくようで……。
世界のあちこちで着実に広がっていくようで……。