大ヒットの抗精神病薬、実は安い薬と変わらない

またか……という気のするニュースですが、

販売戦略によって超ヒット商品になっている Zyprexa と Risperdal。
実はそれまでの、はるかに安い薬と効果が変わらないばかりか独自の副作用があることが
成人だけでなく、このたび子どもでの実験でも確認されたとのこと。

それで、NY Times の社説が

それまでの安価な薬との比較検証が行われるより前に
製薬会社の激しい売り込みによって広く使われるようになる。
大人にこれだけ使われるのだから信頼性があるとばかりに医師が子どもにも処方する。

パワフルな販促キャンペーンで爆発的に売れるようになる前に、
最初の段階で新薬とそれまでの薬とを比較検証すべき。



2005年に米国精神衛生研究所(NIMH)が行った大規模な研究で
新しく開発された抗精神病薬の効果はそれまでのはるかに安い薬と変わらない
という結果が出ていましたが、それは成人の話。

このたび、同じNIMHによる小規模な研究は8歳から19歳を対象にしたもので
結果は同じで効果は安い他の薬と変わらない。

ただしZyprexa(Eli Lilly) と Risperdal (Janssen)にはそれまでの商品になかった
肥満が起きる、コレステロールインシュリン値に影響するなどの副作用がある。

It is another disturbing example of how aggressive marketing can propel drugs to blockbuster sales even though they are no more effective, and possibly more risky, than older versions.

どこにも「製薬会社が」とも「政府が」とも実は書いていないのですが、
でもこの社説が疑問視しているのは「とにかく売らんかな」の製薬会社の姿勢であり、
儲けるべき人たちが然るべく儲けた後になって研究が行われるという辺りに見え隠れする
(社説には一言もそんなことは出てこないけど)
官との癒着の構図なのではないでしょうか。

読んでいたら、全く無関係な事件ではあるのだけれど、
日本で問題になっている事故米の転売問題と重なってしまった。