NBICレポート:モチベーションと展望 1

米国科学財団と商務省が2001年に行った
ナノ、バイオ、インフォ、コグノの4テクノロジーの統合がテーマのワークショップ。
翌年刊行された、そのレポートについて。

第一章に当たる Motivation and Outlook(モチベーションと展望)に掲載の
8本の論文を読んでみました。

いわばNBIC統合の概論的な章なので
8本が様々な立場から主張するところをざっとまとめてみると

今後の人間社会にテクノロジーによる大規模な変容が起こることは間違いがなく、
特に重要なNBICの4領域が重なるエリアにこそ大きなポテンシャルがある。

テクノロジーが急速に変えていく世界に
旧態依然とした政治は追いついていないが、

NBIC統合のポテンシャルと方向性をしっかりと見据え、
米国が将来的にも国際競争力を維持して世界の覇者であり続けられるように
充分な戦略と予算の元で産官学の協働が必要である。

この章でたぶん重要なのは講演の内容というよりも、
スピーカーの顔ぶれかもしれません。

それぞれ、どういう機関または企業の代表がしゃべっているかというと、

米国政府からは

The Office of Science and Technology Policy(OSTP:科学技術計画局)
The Department of Commerce(商務省)
The National Aeronautics and Space AdministrationNASA:航空宇宙局)
The National Institute of Health(NIH:国立衛生研究所
The National Science Foundation(NSF:国立科学財団)

民間セクターからは

The American Enterprise Institute (政策研究のシンクタンク)
Hewlett Packard (HP)
The Institute for Global Futures (90年創設のシンクタンク


こういう人たちが2001年に集まって、
トランスヒューマニストたちが云々しているのと同じことを
真面目に論じ合っていたというわけです。

その内容については、次のエントリーに。

【追記】
そういえば、国防省は入っていないなぁ。
国防省に流れる研究予算を、少しこっちにも回せというアピールのワークショップだったから?