米英の子どもの貧困

奇しくも同じ日に米国・英国それぞれから
子どもの貧困についての記事が出てきました。

まず米国の話から。

Colorado州で2006年に貧困状態にある子どもの数は18万人で州の全人口の15,7%で、
2000年から実に73%も増加。

これは全米で最も高い増加率で、
Coloradoに続くのはNew Hampshireの47%
次いでDelawareの45%。

貧困状態で暮らす子どもが増えた要因はいろいろあって複雑なようですが、
でも、これは増加率の話なので、

ずっと記事を読んでいくと、最後のところで「あっ」と言わされてしまう。

増加率では最悪だったColoradoですが、
その人口比15,7%そのものは決して高いわけではないというのです。
なにしろ米国全体の平均は18%だから。

ほとんど5人に1人の子どもが貧困状態で暮らしている……。



実は英国でも、貧困状態で暮らす子どもは5人に1人。

労働党政権はブレア時代に
2010年までに子どもの貧困を半分に減らすと宣言したというのですが、
むしろ格差は広がり、子どもと年金生活者がさらに貧困にあえいでいるという調査結果。



この2つを読んで、当たり前のこととして、
日本のこういう統計ってあるのかしらん……? と考えるわけですが、

そういえば湯浅誠の「反貧困 ――『すべり台社会』からの脱出」に、
日本政府は貧困問題が日本に存在することそのものをきっちり認めていない、
まともに調査もしていない、という話があったなぁ。

とはいえ、上記記事の米・英ともに調査をしたのは政府ではなくて、
子どもの擁護団体みたいですから、
そういう統計を取りたくないのは
どの国でも同じなのかしら。

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ここにデータもあるみたいだけど、専門的でよく分からない。

子どもの貧困の動向とその帰結
千葉大学法学部教授 大石亜希子
「季刊 社会保障研究」 Vol. 43 No.1