D医師が障害のある弟に言及し「障害者と親は分断している」

前のエントリーで先月1月18日のCalvin大での講演で
講演後の討議にDiekema医師の弟が参加していたことを紹介しましたが、

去年の1月、以下のthe Toronto Starの電話インタビューで
Diekema医師は既に弟の存在に触れています。

“Pillow angel” treatment dehumanizing
By Helen Henderson
The Toronto Star, January 13, 2007

Helen HendersonはToronto Star紙で障害者問題について書く辛口コラムニスト。
障害があり電動車椅子を使用。
ちょっとドライでシャープな文章を書く人のようです。

この記事でDiekema医師がどういう流れで弟を持ち出しているかというと、

Hendersonの突っ込みが鋭かったのでしょうか、
「両親には悪しき動機などありませんよ」
「違いますよ。ただ技術的に可能だからやったなんてことはありません」
「そういうことが動機ではないんです」などと
押され気味の抗弁を繰り返した後で
(否定するばかりで何も説明できていないことに注目してください)

医療界以外からこんなに注視されるとは意外だったと語り、

一番理解できないのは
障害者問題の活動家と親との間がこんなに断絶しているということ。
もう完全に分断されていますよ
そこで難しい問題は、
障害者の方が親よりもAshleyの代弁者としてふさわしいのか、
ということです」。

(親が一番の敵だという認識は
 アメリカの障害者運動の歴史にはなかったのでしょうか?)

ここのところで、
障害当事者たちからの批判については
事故で障害を負った弟から直接聞いたと語っているのです。

饒舌なしゃべりで論点をずらしていって追及をかわす……
Diekema医師の常套手段。


           ―――――

私も今回ファイルから記事を引っ張り出して初めて気づいたのですが、
これが1月13日の記事だったというのは
実は無視できないタイミングなのです。

Diekema医師がCNNで受けたインタビューが1月11日、
翌12日には同じくCNNの「ラリー・キング・ライブ」に衛星生出演していますが、
同時にこの頃ワシントン大学と子ども病院には
障害者の人権監視団体WPASから調査開始が通告されています。
そして、この辺りを境に病院関係者はメディアとの接触を断ったのでした。

(詳細については「Diekema医師のウソとそこから見えてくるもの」のエントリーに。)

1月13日(土曜日)の記事で電話取材は「今週」とされていますから
いずれにしても病院サイドがメディアとの接触を断つ寸前のもの。


Hendersonさんのコラムが聞けるポドキャストはこちら