向精神薬はロボトミーとそれほど違わない?
著者のロボトミーについてのスタンスは
「患者の苦痛を実際に軽減した面もあり
純粋な悪としてしまうのは短絡的」とするもの。
むしろ過去の精神外科医療との2極的な善悪対比によって
現在の精神医学的治療が不当に正当化されているのではないかと
警鐘を鳴らしている箇所です。
「患者の苦痛を実際に軽減した面もあり
純粋な悪としてしまうのは短絡的」とするもの。
むしろ過去の精神外科医療との2極的な善悪対比によって
現在の精神医学的治療が不当に正当化されているのではないかと
警鐘を鳴らしている箇所です。
けれども、現在私たちが、向精神薬の服用により、まだ明らかになっていない恒久的障害を被っている可能性がないとは誰にも言えない。精神科医のジョセフ・グランミュレンは、プロザックは脳の中にアルツハイマータイプのプラークと混乱をもたらす原因となりうると警告する。プロザック服用者の多くがもの忘れを訴え、車のキーの置き場所や、車をどこに駐めたかすら思い出せないというのは、そのせいである可能性があるとグレンミュレンは指摘する。最新の薬でさえ、長期にわたって服用を続けると回復不能な運動障害を引き起こしかねないとされる。二十年もすると、このプロザック国家は忘却の時代へと進んでいくことになるのかもしれない。
(p.362)
(p.362)
Ashley事件の担当医らが論文で
「前例がない以上、効果もリスクも想像するしかない」と書いた過激な医療が
6歳の子どもに易々と実施されてしまうことにも、
「前例がない以上、効果もリスクも想像するしかない」と書いた過激な医療が
6歳の子どもに易々と実施されてしまうことにも、
「あるかもしれない未証明の効果は追求してみたいが、
副作用は未証明である以上ないものと前提する」
といった“科学的な姿勢”が関係しているのかも。
副作用は未証明である以上ないものと前提する」
といった“科学的な姿勢”が関係しているのかも。
しかし、いくつかの章はホラーとして濃密な読後感あり。