米政府はTHニストと同じ方向を向いている 2

アメリカ政府は本気でトランスヒューマニストと同じ方向を向いているのだなぁ、
と、思わせられる資料を以下に。

CONVERGING TECHNOLOGIES FOR IMPROVING HUMAN PERFORMANCE
June 2002
National Science Foundation
Department of Commerce

全米科学基金と米商務省が2001年の12月にワークショップを組織し、
そこで産官学それぞれの主導的な専門家から出た見解や、
その後、米国の科学と技術の専門家から提出された論文等を取りまとめた報告書。

表紙にはロケットを思わせる大きな突起が描かれ、
その先端は4つに仕切られて、それぞれに
nano, bio, info, congno と。

(これを「NBICの矢」と呼び、収斂テクノロジーの発展を象徴するのだそうです。)

そのロケットの、山でいうとふもとに当たる部分に、
脳の断面と人影が左右に描かれています。

報告書のタイトルのconverging technologies とは、
ナノ、バイオ、情報、認知の4分野のテクノロジーを収斂することを意味し、

これら4分野の新興テクノロジーをうまく使い合わせて、
人間の能力向上に利用しよう、と将来を展望する報告書。
(Kurtzweilはロボット工学を重視していましたが。)

まだ、ろくに読んだわけではないし、
専門的な論文の集まりなので、読んでも分かるかどうか……。

ただ、目次を見ると、
トランスヒューマニストたちと
とても似通った視点と内容だという印象は強いし、

EXECUTIVE SUMMARYの中の 7.Future Prospects の中に、
Mental Health という項目が目に付いたので、読んでみたところ、

ナノテクを駆使してスマートドラッグを
神経障害を起こしている脳の部位に直接届ければ云々……と、

書いてあることは、
あのRamez Naamが精神障害者について言っていたこととあまり違わないのですね。

Ashley事件をインターネットでたどっているうちに行き着いて以来、
ずっと非常に気になりつつ、ちょっと敷居が高い資料です。

よほど体力・気力が充実した日に気が向けば、
少しずつ齧ってみようと思ってはいるのですが……。