George Dvorsky はトランスヒューマニスト

成熟した女性の体に乳幼児レベルの知能しか持たない人が宿ることを「グロテスク」だと放言したGeorge Dvorskyという人がいて、その発言が両親のブログに引用されていることは、周知の通りです。論争の中でも5月16日のWUのシンポでも何度かその引用箇所が取り上げられていました。

彼はその「グロテスク」発言でいっぺんに名前が知れ渡ったわけですが、案外に彼がどういう人物で、どういう組織と関わっているのかについては知られていないように思います。

Dvorskyは、テクノロジーを使って不死を模索しようとするネット・コミュニティBetterhumansの主催者です。さらにトロントのトランスヒューマニスト協会の会長でもあります。

http://www.betterhumans.com/

両親のブログでもメディアに登場した際も、Dvorskyはthe Institute for Ethics and Emerging Technologiesのexecutive directorとして紹介されますが、

http://ieet.org/

IEETのHP、タイトルが Institute for Ethics and Emerging Technologies: Promoting the ethical use of technology to expand human capabilities。やはりトランスヒューマニズム関連の組織であることがわかります。ここのディレクターの顔ぶれを見てみるとDvorsky の他にも、1月4日にCNNのNancy Grace の番組に出てアシュリーの両親の判断を強く擁護していたJames J. Hughes がいます。彼もまた世界トランスヒューマニスト協会の幹部です。もともとthe Institute for Ethics and Emerging Technologies そのものが、2005年にHughesら世界トランスヒューマニスト協会のメンバーによって立ち上げられた組織のようです。

世界トランスヒューマニスト協会のChairは、Nick Bostrom というオックスフォード大学の哲学者ですが、the Oxford Future of Humanity Institute の長官でもあり、またCIAのコンサルタントもしているとのこと。


アシュリーの両親のブログにあったDvorsky の「グロテスク」発言は、去年の秋の論文が報じられたのを受けて彼が11月6日にブログに書いたHelping Families Care for the Helplessというエッセイの一節ですが、果たしてアシュリーの親は、彼がどのような人物か、どういう組織につながっているか、まったく知らずに不用意に引用してしまったのでしょうか?

http://sentientdevelopments.blogspot.com/search?q=helping+families+care+for+the+helpless

追記: Dvorskyは1月4日のBBCニュースにも登場して、両親の決断は「自分の意見では完全に適切なものだ」と述べています。

http://news.bbc.co.uk/nolavconsole/ifs_news/hi/newsid_6230000/newsid_6231200/nb_wm_6231213.stm