オレゴン州、メディケイドでガン患者の終末期医療を配給制に

The Oregon Health Education Review Committee(HERC)の会合で、
今年10月から新たなガイドラインが施行されて、
メディケイドのガン患者への治療内容が変わることが決まったとのこと。

前回のガイドライン改定では、
余命が2年以内のガン患者の治療に制限が設けられたのだけれど、

今回は化学療法に耐えられないほど体が弱っている患者、または
複数回の化学療法をやっても改善が見られない患者への治療を、制限することに。

そのため、
臓器が機能できないほど弱って死が近づいている患者には
ガン治療を目的とした医療はメディケイドの給付対象とならない。

しかし、手術と放射線を含め、
痛みと吐き気の治療は対象となる。

Oregon Starts Rationing End-of-Life Treatment
Medical Futility Blog, August 9, 2013


Popeのブログ・エントリーのタイトルだと
まるで今回の改訂でオレゴンのメディケイドが配給医療になるという解釈なんだけれど、

厳密な意味での「配給医療」という言葉の意味が
イマイチ私は良く分かっていないので素人の拡大解釈かもしれないのですが、

これまでもオレゴン州では以下のような話があって、
私は元々オレゴン州のメディケイドは一種の「配給医療」なんだとばっかり……。



いずれにせよ、
今回のガイドライン改訂で治療を受けられなくなるガン患者さんも
医師の幇助を受けて自殺することを希望するなら
その費用はメディケイドの給付対象になるわけですね……。


ちなみに、
1990年代にオレゴンプランが最初にできた際に、
導入しようとして「障害者差別」だとして没になった基準があった。

これについては、Alicia Ouelletteの Bioethics and Disabilityに詳しく、
その概要は以下のエントリーに。



その他、ピーター・シンガー
QOLを指標に配給医療制度の導入を提唱している件については、こちらに ↓
Peter SingerがQOL指標に配給医療を導入せよ、と(2009/7/18)