2013年7月23日の補遺 (後)
ゲイツ財団の教育改革への資金投入とそれに伴う影響力行使は公教育にとどまらず、大学改革にも。The Chronicle of Higher Educationが"the Gates Effect"と題する長大な調査報告を取りまとめている。
http://www.universityworldnews.com/article.php?story=20130719161311291
http://philanthropy.com/blogs/philanthropytoday/measuring-the-gates-effect-on-u-s-higher-education/71651
http://www.universityworldnews.com/article.php?story=20130719161311291
http://philanthropy.com/blogs/philanthropytoday/measuring-the-gates-effect-on-u-s-higher-education/71651
上の動きを受けて、「なぜ大学はビル・ゲイツを嫌うのか」という記事。
http://www.smartcompany.com.au/information-technology/056558-best-of-the-web-why-universities-hate-bill-gates.html
http://www.smartcompany.com.au/information-technology/056558-best-of-the-web-why-universities-hate-bill-gates.html
こういう話題となると、最近堂々たるゲイツ批判を展開しているWPのValerie Straussの記事がやっぱり歯ごたえがある。15日の記事のタイトルは「高等教育へとビルゲイツが広げる影響力、そしてカネ」。ゲイツ財団から抗議があったらしく、その後、細かい訂正が入っている。
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/15/bill-gates-expands-influence-and-money-into-higher-education/
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/16/gates-foundation-responds-to-critical-articles/
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/15/bill-gates-expands-influence-and-money-into-higher-education/
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/07/16/gates-foundation-responds-to-critical-articles/
【関連エントリー】
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
「生徒に生体データ・ブレスレットつけさせ教師の技量を評価」研究に、ゲイツ財団から100万ドル(2012/6/19)
デジタル思考の成果主義に染められていく米国の公教育改革(2013/2/20)
ビル・ゲイツの慈善にも説明責任を突きつける教師ブロガ―(2013/4/24)
ビル・ゲイツの公教育改革に、米国の教師が突きつけ始めた“NO”(2013/6/15)
米国の教師が指摘するビル・ゲイツ教育改革7つの問題点(2013/7/17)
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インドの給食への農薬混入のニュースで「もっとも貧しい地域」というので、ビハール州じゃないかと思ったら、やっぱりそうだった。ビハール州はゲイツ財団がインドで最も力と金を注いでいるところ。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/17/school-meals-kill-indian-children
http://www.guardian.co.uk/world/2013/jul/17/school-meals-kill-indian-children
NYT。アフリカで女性器切除が少しずつ減少しているらしい。これは良いニュース。
Report Finds Gradual Fall in Female Genital Cutting in Africa: An assessment by Unicef described the ancient practice as “remarkably tenacious,” but found declines in the procedure in more than half of the countries where it is concentrated.
Report Finds Gradual Fall in Female Genital Cutting in Africa: An assessment by Unicef described the ancient practice as “remarkably tenacious,” but found declines in the procedure in more than half of the countries where it is concentrated.
【関連エントリー】
米小児科学会の女性器切除に関する指針撤回:Diekema医師の大チョンボ(2010/8/4)
Gatesの一声で、男児包皮切除にエビデンスが出てくるわ、小児科学会もCDCも方針を転換するわ(2010/8/16)
包皮切除件数減少を反対運動のせいだと騒ぐDiekemaのポチ踊り(2010/8/23)
包皮切除でのDiekema発言でNPRラジオに抗議殺到(2010/9/14)
2011年5月20日の補遺
2012年12月2日の補遺
米小児科学会の女性器切除に関する指針撤回:Diekema医師の大チョンボ(2010/8/4)
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包皮切除件数減少を反対運動のせいだと騒ぐDiekemaのポチ踊り(2010/8/23)
包皮切除でのDiekema発言でNPRラジオに抗議殺到(2010/9/14)
2011年5月20日の補遺
2012年12月2日の補遺
英国医師会から介護者向けの支援ガイド。
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2371560/Carers-Manual-released-help-6-million-Britons-nursing-loved-one.html
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2371560/Carers-Manual-released-help-6-million-Britons-nursing-loved-one.html
オーストラリアの調査で、認知症の人の介護者への健康負担。
http://www.sciencewa.net.au/topics/social-science/item/2277-caregivers%E2%80%99-health-burdens-highlighted.html
http://www.sciencewa.net.au/topics/social-science/item/2277-caregivers%E2%80%99-health-burdens-highlighted.html
自衛隊運用、制服組に移管 来年度にも、文官部局は廃止:これ、選挙の前に決まってたみたいなんだけれど、どうしてこういう重大な問題がきちんと報道されないかなぁ。シビリアンコントロールが失われたってことだと思うんだけれど、自民党の天下になっても戦争だけは起こらないと信じられる人の根拠って??
http://www.asahi.com/politics/update/0718/TKY201307171014.html
http://www.asahi.com/politics/update/0718/TKY201307171014.html
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不快な思いをしていてもそれを表現できない弱い側の立場への、強い側の鈍感。鈍感にとどまらず自分の都合のよいように解釈して悦に入る、愚かしいほどの自意識過剰。
これは男と女だけじゃなくて、教師と生徒(学生)、上司と部下、親と子、医師と患者……ありとあらゆる上下関係に通じていく問題だと思いながら読んだ。問題の本質は何をしたとか何を言うかということにあるのではなく、相手をナメているからナメていない相手には言えないことを、つい言ってしまう、ついやってしまう、という点にあるような気がする。
そういう人の中にはもともと自尊感情が安定していない人が多いので、ナメて見下している相手から謝罪を求められたり、人の良さからつい謝罪してしまったりすると、今度はそのことに自尊感情を揺さぶられて、逆に自分の優越性を自分自身に対して証明する必要に駆られ、妙な形で相手に対して報復的に粘着していくんじゃないだろうか。(何度かの直接体験から思うこと。もちろんそういうふうに記憶されている体験は自分が「ナメられた」側だった体験のみ)
だから、たぶん「素直に謝れば事態は小さいうちに収拾できる」という著者の正しいアドバイスは、ナメていない相手には言えないようなことをナメている相手だから言えるような人には、実はチョー難しいことなんではないだろうか、と思ったりする。
とはいえ、かつては生徒(学生)に対する教師という立場で、今も子に対する親という立場で、その他、自分が優位だと感じる相手に対して、自分だって同じことをやっている自覚もないわけではなく。だからこそ、自分が「ナメた」側だった体験は記憶されることはないのだろうし、この本は本当は読者それぞれに、そうした自分への振り返りを促すところに意味があるような気も。