インドの男性が貧血の息子の安楽死を希望:Cook「熟慮の末の自己決定ではなく絶望の叫び」

いつもお世話になっているBioEdgeのニュース・レターで
Michael Cookがとてもよい論考を書いている。

インドの貧しい靴職人Abdul Rahimが
サラセミアという貧血のある3人の息子(9歳、14歳、16歳)の
治療費を出してやれないので、3人を安楽死させる許可を裁判所に求めた、
というニュースを受けて、

Cookは
こうしたニュースがインドからは繰り返し報道されており、
安楽死が合法化されていないインドではそのつど司法は要望を却下していることに触れ、

こうした事例を
病気の息子の苦しみを見かねて親が安楽死を希望するという文脈で解釈してはならない、
これらは十分に熟考した上での患者の自律や自己決定ではなく、
息子には生きてほしいのに、それ以外にどうしてやることもできなくなった親の
絶望からの叫びなのだ、と。

そして、以下のように書いている。

Similarly, in our societies the demand for euthanasia seems strongest where the social fabric is weakest. Care is expensive, time-consuming and exhausting. But the real solution is not euthanasia, but more support, both financial and social. If we were to legalise euthanasia, the poor and the isolated would eventually be the ones who take most advantage of it.

同様に、我々の社会でも、社会機構が最も脆弱なところで安楽死を求める声は最も大きい。
医療も介護もお金と時間がかかり、周囲を消耗させる。

しかし真の解決は安楽死ではなく、
財政的・社会的な支援をもっと整備することだ。

もし我々が安楽死を合法化すれば、
結局は安楽死をもっとも利用するのは、最も貧しく、最も孤立させられた人々ということになる。


私はちゃんと読めていませんが、インドの父親に関する元記事はこちら ↓
http://www.hindustantimes.com/India-news/Guwahati/Father-seeks-euthanasia-for-3-sons/Article1-1068077.aspx