Yale大とTH二ストの組織IEETが、動物の権利とパーソン論でカンファ

Yale大学のInterdisciplinary Center of Bioethicsが
今年12月に開く予定のカンファ。

テーマは “Personhood Beyond the Human”
共催は the Institute for Ethics and Emerging Technologies (IEET).

基調講演は Peter Singer と Steven M. Wise。



で、このカンファで議論される問題を
BioEdgeにリンクされたビデオで熱く語っているのが
Ashley事件の際にCNNに登場していち早く擁護論をぶったIEETの創設者で
Trinity College in Hartford, Connecticutの生命倫理学者のJames Hughes.

当時、彼らのメディア発言で初めてトランスヒューマニストの存在を知り、
その主張について知ってぶったまげた私は、

とりあえずHughesが2004年に出した
Citizen Cyborgという本をゲットして読んでみた。

……というか、読む努力をしてみた。
で、あまりの議論の粗雑さに、すぐにメゲた。

読んだ範囲で一番あぜんとしたのは、
彼が主張する民主的なトランスヒューマンな市民社会の権利4段階説。

その個所を2007年の当該エントリーからコピペしてみると、


彼の分類では生命のタイプは4つ。

まず、最も上のランク。
①完全な市民権(自己決定、投票と契約を結ぶ権利)を与えられるのは、

「理性ある成熟した人格」という意識状態にある
「強化されている・いないを問わず大人の人間と、認知能力がそれに匹敵するもの」。

②障害市民権(生命と、完全な自己決定を行うための補助への権利)が与えられるのが、

人間の子ども
認知症と精神(知的の意?)障害のある人間の大人
Great Apes

彼らの意識状態は「人格(自己意識)」。

③「感覚のある財産」というステイタスで
(不要な苦しみを味わわない権利)を与えられるのが、

ほとんどの動物
胎児
植物状態の人間

意識状態は「Sentience感覚がある(快と痛)」

④権利を持たない「財産」と規定されるのは、

脳死の人間

植物
物品

彼らの意識状態は「Not Sentient 感覚がない」。

その他の詳細は、文末にリンクのエントリーに。


なんだか、なぁ……。
2007年のA療法論争の時には、
ただのトンデモ・ヒューマニストに見えていた人たちが
いつのまにやら生命倫理学者として大きな声でものを言い始めている……。