認知症の母親をフルタイムで介護する重症障害男性から「働けるでしょ」と手当を引き上げ(英)

Graeme Tyldesleyさん(57)は
2002年に病気で引退するまで21年間病院職員として働いてきたが、現在は
進行性の脊髄の病気があり身体が不自由で(写真では歩行器を使って歩いている)
認知症の母親(82)と同居してフルタイムの介護を担っている。

母親がパニックを起こすので見守りが欠かせず、
2時間しか眠れないこともあるという。

これまでは
病院の年金と、障害者手当のほかに
incapacity benefit(働けない人に支給される手当?)を月に280ポンドもらっていたが

このたび職業年金局(DWP)はTyledesleyさんに
電話をとる動作とか座る動作など身体的な動作をさせる簡単なアセスメントで
「デスクワークなら働くことができる」と判断し、手当の支給停止を決定。

Tyledesleyさんはショックから抗ウツ剤の服用量が増えたという。

Tyledesleyさんの支援に入っている権利擁護チャリティ、Craven Advocacyでは
他にも支給停止が決まったと助けを求めてくる人が増えていると言い、

「こうした(身体機能だけの)アセスメントは
その人が置かれた状況全体を考慮しておらず、
人を数字のように扱っていて、問題です」

DWPからの通知書には
資格決定では健康状態や障害は検討対象とされず、
何ができるかという視点の審査である、と書かれていた、とのこと。

記事の最後にも、DWPの広報担当の以下の発言が引用されている。

「状況によって人はそれぞれ影響を受けることは承知しておりますので
雇用と支援給付は、働ける能力をアセスメントし、
その人には何ができるかを見るものです。

ある人が働けるだけ健康だと判断する際には、
直接会って詳細な面談によるアセスメントを行い、
請求者から提出された医学的エビデンスを検証します。

構成で効果的な就労能力判定に向けて改善を行ってきましたが、
不服がある人には、新たなエビデンスを出して不服申し立てをされる権利があります」

Disabled carer told ‘you’re fit to work’
Craven Herald, November 29, 2012


日本の生活保護を含めて、
なにか、こういうことが世界中で行われているような気がしてならないし、

そういう現象が
昨日のエントリーから透けて見えてくるような今の世界のあり方と
実は直接的に繋がってもいるんじゃないかという気がしてならない。