2012年10月23日の補遺

ドバイで、四肢マヒ患者Ghulam Mohammedさんに一方的「蘇生不要」DNR指定をし、その後、自分で生命維持装置を切って死ぬまで誰も手を出さないよう監督したオーストリア人の医師EugenAdelsmayrが、殺人罪無期懲役刑を言い渡されている。ただし事件が起きたのは2009年2月のことで、本人は既に帰国。:またこのニュースを「慈悲殺」という言葉を使って報道するメディアに絶句する。
http://www.news24.com/World/News/Court-sentences-doctor-to-life-in-prison-20121021
http://www.thenational.ae/news/uae-news/health/dubai-doctor-sentenced-to-life-for-mercy-killing

ミシガン州がthe Medical Good-Faith Provision Actにより、18歳までの患者の治療をめぐり無益な治療方針のある病院は求めに応じて患者や家族にそのコピーを渡すことを義務付け。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2012/10/michigan-legislation-to-require.html

英国で丁寧な看取りのプロトコルであるはずのLCPが機械的な鎮静と脱水に繋がっていると指摘されている問題で、メディアにはLCPそのものへの誤解があふれているとして、本来のLCPについてのコンセンサス・ステートメントが9月に出されていた。:パスそのものが悪いわけじゃない。それが機械的に運用されていくことで現場スタッフが思考停止に陥ることの問題。そこには社会に「高齢者や重症障害者の命は丁寧な治療にも、救命にも値しない」という価値意識が共有され広がっていることが関係している。それが本当の問題。
http://ja.scribd.com/doc/110654494/Consensus-Statement-Liverpool-Care-Pathway-for-the-Dying-Patient



今日のWPの医療と健康欄はなにやら密度が高い ↓


上の記事と並んで、米国で若年層の患者も入所介護が必要になると高齢者と一緒にナーシング・ホームに入れられてしまう問題の解決の難しさについて。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/moving-people-out-of-nursing-homes-proves-to-be-difficult-despite-federal-funding/2012/10/22/74748e3a-e30f-11e1-ae7f-d2a13e249eb2_story.html?wpisrc=nl_cuzheads


それにさらに続いて、オバマ医療制度改革で保険会社に対して病気の子どもの医療保険を断れないよう規制強化が狙われたが、実際は逆効果となり、子どもの保険を売らない会社が増加中。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/as-many-insurers-drop-child-only-policies-states-try-to-intervene/2012/10/22/da3f739e-16d9-11e2-8792-cf5305eddf60_story.html?wpisrc=nl_cuzheads


これはNYT。慢性病や障害のある人が在宅医療、ナーシング・ホーム入所、外来治療を受けやすくなる可能性? :タイトルだけからいい話に見えても読んでみないと、こんな弱者切り捨ての時代に??? と先に眉にツバつけてしまうんだけど。ことにWPで上のような記事が並んでいるのを見た後は、なおのこと。
Settlement Eases Rules for Some Medicare Patients: Tens of thousands of people with chronic conditions and disabilities may find it easier to qualify for home health care, nursing home stays and outpatient therapy.



インフルエンザの死亡リスクを軽減するためには学校でのワクチン集団接種を。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/251778.php


児童期の貧困は遺伝子や免疫システムにも影響。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/251739.php

豪のギラード首相に対する野党党首による女性差別発言問題、どんどん醜悪になって「子どもを育てたことがないからだ」、ついに謝罪へ。Guardian記事へのコメント、なんと320件。:そういえばこの前、滋賀県の女性知事のダム建設中止に反発した県議が「失礼ながら、知事はこの政策でマスタベーションをしておられるのでは」と発言をするのを聞いて、不愉快この上なかった。
http://www.guardian.co.uk/world/2012/oct/23/julia-gillard-misogynist-sexism-baby
http://www.news24.com/World/News/Opposition-apologises-to-childless-Gillard-20121023