2012年7月2日の補遺

Psychology Todayというサイトに、Eva Kittay、Edrian Aschらの“アシュリー療法”批判を逆手にとって強引に正当化するRovert Newsome論文。「彼らの主張する論点にはいずれも賛成だが、だからといって、成長抑制が常に必ず子どもの最善の利益ではないということにもならない」「まさに彼らが主張する“子どもをそのままに愛し受け入れる”ためにこそ、また彼らが主張するようにパーソン論の理性重視ではなく、重症児が世の中を感じ取っているがままに尊重するためにこそ、成長抑制は子どもの利益になるのであり、禁じるべきではない」と、字面レベルの理屈をこねくり回す。Kittayに対してはA事件とは無関係な著書「愛の労働」まで引っ張り出して来ている。:法による全面禁止を訴えた5月のNDRNの報告書を意識して、書かれている。一般化を巡って、まさに今、壮絶なバトルが行われているのだ、と思う。
http://www.psychologytoday.com/blog/the-love-wisdom/201206/the-ashley-treatment-hoyer-lifts-and-hugs


【KittayのA療法批判については】
Eva Kittayの成長抑制論文(2010/11/7)
「成長抑制でパンドラの箱あいた」とEva Kittay氏(2010/11/23)

【AschのA療法批判については】
Adrienne Aschの、かなり醜い言い訳(2010/2/17)



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オーストラリアでも「ドクター・デス」ことDr. Philip Nitschkeが「モバイル・クリニック」の導入を狙って、安楽死法案が提出されるらしい。:要はオランダが3月から始めているのと同じ「宅配安楽死」制度ですね。
http://www.abc.net.au/news/2012-06-29/plans-for-mobile-27death-clinic27-trial/4100634?section=tas

サン・ディエゴで新たな“無益な治療”事件髄膜炎から重症の脳損傷を負ったZody Cervantes さんの主治医らが「99%の確率でQOLはないに等しいものとなる。本人の苦しみを長引かせないために」として7月6日に人工呼吸器を取り外す、と宣言。:QOLはいつのまにか「高い・低い」で語られるのではなく、「ある・ない」で語られるようになったみたい。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2012/06/new-case-zody-cervantes-v-rady.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+MedicalFutilityBlog+%28Medical+Futility+Blog%29


日本。シンポ:高齢者やALS患者が安心して日常生活を送るために。東京弁護士会主催。明日です
http://www.toben.or.jp/know/iinkai/koureisyougai/news/20120528.html

ドイツの裁判所が包皮切除を違法行為と判断したことに、イスラム教徒とユダヤ教徒から反発。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10134#comments


介護のために離職せざるを得なかったケアラーへの支援の訴え。
http://www.guardian.co.uk/money/2012/jun/29/carers-forced-give-up-work?newsfeed=true


日本。ラブホテルで交際相手の女子高生殴る蹴る 高3男子を逮捕:オトナの世界で露骨になっていく諸々への差別意識が子どもに影響しないはずがない、といつも思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120701-00000539-san-soci

日本語。なぜ、日本の研究者は人型ロボットを作るのか。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120629-00000302-nipponcom-pol