2012年6月29日の補遺

日本。原子力憲法」こっそり変更。原子力利用の「安全確保」の目的のところに「安全保障に資する」が追加された。「閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張。民主党が受け入れた」:私はこのニュースを知るのと前後して、信頼できる人から、日本のドナーカードの様式が①「脳死後、移植のために臓器を提供する」から「脳死後及び心臓が停止した死後のいずれでも、移植の為に臓器を提供します」に、②「提供臓器に○をつける」から「提供しない臓器に×をつける」に、2点変更されていることを教えてもらった。それぞれ制度の根幹にかかわる、これほどの重大事が、表立った議論などないまま、こっそりと変更されている現状に、ぞっとする。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012062102000113.html

日本語。中国新聞森岡正博先生の「幼い子供の臓器提供」批判。:子どもの体に関する親の決定権の範囲、という視点から、ということでアシュリー事件の論点に通じている。自己決定権や代理決定のデュー・プロセス、子どもの医療を巡る親の決定権の制約という生命倫理の手続き論からしても、子どもの臓器提供を親が決められるというのは妙な話だと、改めて。それが誰かの命を救うからというだけで正当化されるなら、実験利用だって可能なことになっていきそうな……?
http://www.bakubaku.org/20120626chugoku-np-.pdf


英国医師会、自殺幇助に対するスタンスを反対から中立に転換する動議を否決。:イェイ!! 相変わらず、新聞によってタイトルの打ち方、書き方が目に見えて偏っているのはともかくとして。
http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/health-news/bma-rejects-assisted-suicide-move-as-one-delegate-likens-it-to-murder-7893118.html
http://www.scotsman.com/news/health/assisted-suicide-ruled-a-breach-of-patient-trust-1-2379992

カナダの医学雑誌が「治療的殺人」に関する議論を呼びかけ。
http://www.canada.com/news/Canadian+doctors+wrestling+with+issues+around+medically+assisted+suicide/6856935/story.html

ビル・ゲイツが教育現場に導入すべきはタブレットじゃなくて、安価なPCを、と。:どっちにしてもITでイケイケの教育改革はMS社にとってはオイシイ。
http://www.macworld.co.uk/ipad-iphone/news/?newsid=3366808&pagtype=allchandate

英国の介護者週間で、目の見えない息子を自分が倒れるまで介護し続けると覚悟を決めている88歳の母親の献身に「今年の介護者」大賞。:英国の各地で展開される「今年の介護者大賞」には日本の母性賛美と同じものが見えて、正直、抵抗感が大きい。賛美するための週間ではなく、支援を訴えるための週間。
http://www.haringeyindependent.co.uk/news/9789849.Carer__88__awarded_for_caring_for_disabled_son_until_she__drops_/