2012年2月17日の補遺

Savulescuと一緒に「臓器提供安楽死」「人為的脳死後臓器提供」を説いたWilkinsonが、英国医師会が提案した「選択的(臓器保存目的のみでの)人工呼吸」を道徳上、義務化せよ、と。:臓器提供安楽死はゼッタイに無益な治療論と繋がるって、ほら、spitzibaraの”予言”は当たったよ。こんなにも早く、とは思わなかったんだけど。
http://blog.practicalethics.ox.ac.uk/2012/02/obligatory-ventilation-why-elective-ventilation-should-not-be-elective/

1995年(以下のリンクの記事では1996年)に世界で初めて安楽死を合法化し、1年後に連邦政府によって無効となったオーストラリアのノーザン・テリトリーで、76歳の友人男性の自殺を幇助するため、メキシコで毒物を手に入れ持ちこんだたとしてMerin Nielsen(50)に有罪判決。実刑。Nielsenには借金があり、自殺したとされる男性の法定代理人として遺言による財産受け取り人となっていた。:自殺幇助には、こういう動機や、偽装が紛れ込むリスクがあることをもっと真剣に考えるべき。
http://www.news24.com/World/News/Man-jailed-for-assisting-in-suicide-20120216
http://www.abc.net.au/news/2012-02-16/man-jailed-over-assisted-suicide/3834112



米国で四肢まひの女性Christina Symanskiさんが四肢まひの性は生きるに値しないとして、餓死。死の直前までブログで自伝を書いていたらしい。無益な治療ブログのPopeは「胸をゆすぶられる」と。
http://medicalfutility.blogspot.com/2012/02/christina-symanski-quadriplegic-starves.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+MedicalFutilityBlog+%28Medical+Futility+Blog%29

またも英国で家族に断りもなく医師がDNR指定。そのために目の前で死にかけている患者を医師も看護師も何もせずに見ていた、として調査に。検死官が担当医に「あなたは目の前にいる患者に注意を払うことも治療することも怠った」。それでもトラストは医師の行為に問題はなかった、との認識。
http://medicalfutility.blogspot.com/2012/02/coroner-inquest-into-unilateral-dnar.html



米国小児科学会が、男児の包皮切除には一定の効果のエビデンスがあるとして、ポジション・ステートメントガイドラインを出して容認にスタンスを変更する予定。:先導しているのは、もちろん学会の包皮切除検討委員会委員長を務めるDiekema医師。
http://intactnews.org/node/143/1329335101/circumcision-task-force-member-tips-hand-what-aap-plans-baby-boys



14日、15日と続けて補遺で拾ったように、このところワクチン拒否に対する小児科医の診療拒否問題がまたぞろしきりに報道されているのだけれど、興味深いことに、その一方で、思想信条を理由に学校での強制接種を辞退することを認める州法を作る動きが広がっている。前者の記事に必ず登場しては「拒否するより丁寧な説明と説得を」と言うDiekemaが、こちらでは「ワクチン拒否に懸念を表明する小児科医が増えてきました。賛同者も増えています」と、ちょっとばかりトーンを違えている。:……もしかして、前者の報道がここへきて増えているのは、後者に対する牽制か??
http://www.usatoday.com/news/health/story/2012-02-15/Some-states-weigh-opt-out-laws-for-mandatory-immunizations/53110858/1

ビッグ・ファーマのノバルティスが2007年にインドでジェネリック薬を製造している会社をターゲットに起こした訴訟に、国境なき医師団(MSF)が批判キャンペーンを張っている。「MSFと一緒になって、利益よりも患者が大事だとノバルティスに訴えよう」「ノバルティスよ、世界中が見えているぞ」。:これ読んで真っ先に頭に浮かんだのは「訴訟によって商売の邪魔になる存在を強引に排除していくヤリクチは、モンサントにそっくり」。そういえばゲイツ財団はモンサントとパートナー。ノバルティスの役員も引き抜いたばかり。
http://www.msfaccess.org/STOPnovartis/
http://www.msfaccess.org/content/novartis-case-pictures

関連エントリー
ジェネリック薬を売らせないビッグ・ファーマの「あの手この手」が医療費に上乗せられていく(2011/11/15)
ゲイツ財団、ビッグ・ファーマ・ノバルティス役員の引き抜きへ(2011/9/12)
ちなみに、そのノバルティス役員の前任者タチ・ヤマダ氏は去年5月にゲイツ財団から日本の武田製薬に。その山田氏の周辺でどういうことが起こっているかは去年9月のLancetの日本特集から覗き見ることができる。


英国の障害者の就労年金省(?)から出た障害者支援プランに、障害者に無報酬で働き続けるか年金カットかの選択を迫るものだとして、障害者らが反発。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/feb/16/disabled-unpaid-work-benefit-cuts?CMP=EMCNEWEML1355

日本語。韓国で7歳の子供に「7つの臓器を同時移植」
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012021732528

東亜日報 日本語 【重慶亡命事件】臓器狩りの真相が明らかになるか
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/02/html/d48463.html


中立的な表情の人を見た時の脳画像など、ごくわずかな情報から不安神経症気分障害のリスクの高い子どもを特定できるコンピューター・プログラムを開発中の科学者らが、精度が上がれば早期発見早期介入につなげられる、と。:これは国家にとって不幸になってもらったら困る人(例えば被災者とか失業者とか貧困層とか?)のマインドコントロールにも使える、とか?
http://old.news.yahoo.com/s/livescience/20120215/sc_livescience/computerprogramidsteensatriskofmentalillness