2012年1月30日の補遺

住民投票実施に向け、PAS合法化ロビーが活発に動いているミネソタ州で、ドキュメンタリー映画“How to Die in Oregon”の上映会とシンポが企画されている。
http://www.columbiamissourian.com/stories/2012/01/29/award-winning-film-about-assisted-suicide-comes-columbia/

この映画については 2011年1月31日の補遺で、
ユタ州サンダンス映画祭で“How to Die in Oregon(オレゴン州の死に方)” がドキュメンタリー部門で受賞。
http://www.reuters.com/article/2011/01/30/uk-sundance-awards-idUKTRE70T0A920110130


英国精神科学会など関連機関のパートナーシップにより、イングランドウェールズの総合病院における認知症ケアの実態調査が数年にわたって実施され、去年12月に報告書が刊行されている。”Report of the national Audit of Dementia Care in General Hospitals 2011”。
http://www.rcpsych.ac.uk/pdf/NATIONAL%20REPORT%20-%20Full%20Report%200512.pdf

英国精神科学会は去年12月に、「精神疾患のある人は15-20年寿命が短い」とのリリースも出している。
http://www.rcpsych.ac.uk/press/pressreleases2011/lifeexpectancy.aspx

遺伝子組み換えトウモロコシの殺虫成分に、ヒト細胞への害?
http://www.criigen.org/SiteEn/index.php?option=com_content&task=view&id=351&Itemid=1

ハチが世界中で急速に死滅している。Colony Collapse Disorder(CCD)と呼ばれる現象。英米では2010年に3分の1が死滅。イタリアでは半分が死滅。この傾向は中国やインドにも広がっている。そのため米国で売られている蜂蜜の中には鉛や抗生物質の混入した偽物があるとか。
http://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2012/01/28/bees-death-destroy-food-supply.aspx?e_cid=20120128_DNL_art_1

上のニュースで思い出したけど、つい先日は、ブラジルとカナダからの輸入オレンジ・ジュースに米国で禁止されている防かび剤が使われているとして輸入停止、というニュースもあった。
http://money.cnn.com/2012/01/27/markets/orange_juice_canada/index.htm

ナノ素材使用の製品が世の中に増えているけれど、ナノ素材については健康リスクも環境リスクも十分に分かっていない。さらなる研究が必要、と米国科学アカデミー。:でも科学マインドのある筋からは、こういうのが非科学的「ゼロ・トラレンス」姿勢だと非難されていたんでは? 2010年に大統領がんパネルが「化学物質はやっぱりヤバい」(米)というエントリーを書いた際に、はてぶで「ヤバくない証明は不可能。それが理解できず、こんなことを書くシロウトはバカ」とspitzibaraをコキ下ろして喜んでいた科学マインドのある方々がおられたけど、あの時も「ヤバい」と書いたのはspitzibaraではなく「大統領がんパネル」だったんすけど? 言っておくけど今回も、ナノ素材のリスクを警告しているのはspitzibaraではなく「米国科学アカデミー」なのね。間違えて「だから科学マインドのないシロウトはバカ」と叩かないように。
http://www.rcpsych.ac.uk/press/pressreleases2011/lifeexpectancy.aspx

MNTに「犯罪学者の研究によれば、犯罪行為に遺伝子が影響している」というタイトルで、冒頭「この論文によれば、あなたが犯罪者人生に迷い込むかどうか、遺伝子で分かるかも」と論文の結論を要約紹介する記事。:読んでみると、遺伝子決定論の仮説を検証するべく調査した結果、「確かに子どもの頃の反社会的行為が成人まで続いた人では環境要因よりも遺伝要因の方が関係していると思われる結果になったけれども、その遺伝子が特定されない限りそんな仮説は立てられないし、犯罪行為は学習するもの」という趣旨の論文だった。先週もPAS合法化訴訟で証拠提出の情報収集を認めただけで「合法化へ高裁が一歩」とメディアが報じていたけど、結局あれと同じか?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/240824.php

陪審員にレイプ被害者の女性に対する偏見が根深く、証拠を読み誤らせているとの指摘、公訴局のAlison Saunders検事から。
http://www.guardian.co.uk/society/2012/jan/30/rape-victims-acquittals-chief-prosecutor?CMP=EMCNEWEML1355

NYT。女性のリプロダクティブ・ヘルスへのアクセスが攻撃されている時だけに、行政が安価な避妊の実現を目指していることは歓迎。
NYT. Birth Control and Reproductive Rights: The administration’s commitment to affordable birth control is welcome at a moment when women’s access to reproductive health care is under assault.

NYT. ニューヨーク警察は強大な権力を握っているだけに、独立した監督なしに勝手に機能させてはならない。:映画で散々描かれてきたLAPDの悪事とか、それからテキサスの学校で「授業妨害」を過剰に取り締まっているスクール・ポリスとか、頭に浮かぶ。
It’s Time to Police the N.Y.P.D.: The Police Department, with its immense powers, should not operate free from independent oversight.

カナダの3人の姉妹と成人女性1人に対する「名誉殺人」で、アフガン人3人に有罪判決
http://www.guardian.co.uk/world/2012/jan/30/honour-killings-jury-afghan-family?CMP=EMCNEWEML1355


2011年11月22日の補遺
イラクのバスラで、イギリス人兵士と恋をしたと腹を立て、17歳の娘Rand Abdel-Qadarを窒息・刺殺した父親が一度は連行されたものの警察は2時間後に彼の行いを称えて釈放。「警官は男だからね。名誉のなんたるかを分かっているさ」と父親。
http://www.guardian.co.uk/world/2008/may/11/iraq.humanrights?CMP=EMCNEWEML1355

2010年12月10日の補遺
アフガニスタンの女性は結婚の強要や名誉殺人など、今だに虐待されている、と国連の報告書。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/dec/09/afghan-women-abuse-united-nations?CMP=EMCGT_101210&