「知的障害があるから腎臓移植ダメ」? フィラデルフィア子ども病院
腎臓移植をしなければ余命1年程度と診断されているのだけれど、
母親の話では、1月10日に移植医とソーシャル・ワーカーとの面談で、
両親はAmeliaちゃんが“精神薄弱”だから移植待機リストには載せられない、と言われた。
母親の話では、1月10日に移植医とソーシャル・ワーカーとの面談で、
両親はAmeliaちゃんが“精神薄弱”だから移植待機リストには載せられない、と言われた。
身内の中で適合する腎臓の生体ドナーを探すというと、
移植後に飲まなければならない薬をきちんと飲めそうにない、
また現在飲んでいる抗けいれん薬と一緒には飲めない、
移植してもいずれまた次の移植が必要となる、
などの理由で、それも薦められないという話だった。
移植後に飲まなければならない薬をきちんと飲めそうにない、
また現在飲んでいる抗けいれん薬と一緒には飲めない、
移植してもいずれまた次の移植が必要となる、
などの理由で、それも薦められないという話だった。
母親は
「じゃぁ、半年後から1年後に腎臓がいよいよもたなくなったら
私たちにこの子を死なせろというんですか? と聞いたら、医師は yes と言いました」。
「じゃぁ、半年後から1年後に腎臓がいよいよもたなくなったら
私たちにこの子を死なせろというんですか? と聞いたら、医師は yes と言いました」。
騒ぎになって、病院側は再度、両親と移植チームとの面談を予定。
小児の固形臓器移植の待機リスト登録の決定要因に神経発達遅滞(NDD)を含めるかについて
移植プログラムによってバラツキがあって一貫しておらず、
移植プログラムによってバラツキがあって一貫しておらず、
移植プログラムの33%が「含めたことがない」「ほとんどない」と答えたのに対して
43%が「常に」または「たいてい」含める、と答えている。
43%が「常に」または「たいてい」含める、と答えている。
62%がそれを決めるのは非公式のプロセスだと報告し、
統一された明確な公式手続きがあると答えた病院はゼロだった。
統一された明確な公式手続きがあると答えた病院はゼロだった。
また遅滞の程度についても病院によってバラついており、
14%が軽度または中等度のNDDでも、どちらかといえば待機リストに載せない要素と答え、
待機リストに載せる決断にNDDは全く無関係と答えた病院は2%だった。
14%が軽度または中等度のNDDでも、どちらかといえば待機リストに載せない要素と答え、
待機リストに載せる決断にNDDは全く無関係と答えた病院は2%だった。
手術の成功率に関わる病状がカウントされるのは正当な理由だが
知的障害それ自体を候補としない理由にするのは偏見であり、
知的障害それ自体を候補としない理由にするのは偏見であり、
Ameliaちゃんの場合、知的障害そのものが理由とされたのか、
それともCaplanの言うように、その他の病状によって手術が成功すると思えないのか、
もしかしたら後者の説明がきちんと誠意を持ってされず、
両親の誤解を招いたケースの可能性もあるのかも……?
それともCaplanの言うように、その他の病状によって手術が成功すると思えないのか、
もしかしたら後者の説明がきちんと誠意を持ってされず、
両親の誤解を招いたケースの可能性もあるのかも……?
David Magnus医師といえば、私にとっては
とても温かく記憶に残っている医師です。
とても温かく記憶に残っている医師です。
・親が望めば、どの子も評価・検討をしてもらえること。
・すべての決定はケース・バイ・ケース原則にて。
・評価のプロセスには、熟練した発達の専門家によるアセスメントが必ず含まれること。
・リストに挙げるかどうかの判断に発達の専門家が加わること。
・永続的に意識のない子どもは対象としない。
・軽度または中等度のNDDはそれ自体では、否定的な指標とはならない。
・「利益対負担」の判断からリストに載せない判断をする場合には、パリアティブ・ケアが必要。
・決定プロセスの透明性が必要。
・NDDの移植アウトカムについて、より良いデータが残される必要がある。
・親と医師のコンフリクト対応のため、不服申し立てが出来る機構が考えられなければならない。
・すべての決定はケース・バイ・ケース原則にて。
・評価のプロセスには、熟練した発達の専門家によるアセスメントが必ず含まれること。
・リストに挙げるかどうかの判断に発達の専門家が加わること。
・永続的に意識のない子どもは対象としない。
・軽度または中等度のNDDはそれ自体では、否定的な指標とはならない。
・「利益対負担」の判断からリストに載せない判断をする場合には、パリアティブ・ケアが必要。
・決定プロセスの透明性が必要。
・NDDの移植アウトカムについて、より良いデータが残される必要がある。
・親と医師のコンフリクト対応のため、不服申し立てが出来る機構が考えられなければならない。
Magnusは講演の中で、特に障害児のアセスメントについて
発達の専門家のアセスメントを経なければ表面的には分からないと
強調していたのが印象的でした。
発達の専門家のアセスメントを経なければ表面的には分からないと
強調していたのが印象的でした。
また、Fostらとのパネルでも、
障害児なんぞにかけるコストは無駄と、切り捨て姿勢を露骨にするFostに
Magnus一人が何度も反論していたのが、とても心に残りました ↓
障害児なんぞにかけるコストは無駄と、切り捨て姿勢を露骨にするFostに
Magnus一人が何度も反論していたのが、とても心に残りました ↓
Fostのゴーマン全開 13日午前のパネル(2007/9/12)