家族介護の9つの秘訣 (AARP版)

米国の退職者協会AARPの「介護の成績表」情報に行った際に
たまたまAARPサイトで目についた介護者支援サイトが面白そうだったので、
とりあえず10月4日の補遺で拾っておきましたが、

その中の一つが「家族介護の9つの秘訣」というスライド・ショー。
副題は「同じ経験をしてきた介護経験者からのアドバイス

9 Secrets of Caregiving
AARP, September 12, 2011


その9つとは、

① Keep Your Own Medical Records
医療記録は自前で作りましょう。

介護が必要な人はいくつもの医療機関にかかりがちですが、
それぞれの医療機関が連携したり情報共有するわけではないので
いつ誰に会い何を話して何を決めたか、
自分が介護している人の医療については
自分で記録しておきましょう。

② Take Time for Yourself.
自分の時間を持ちましょう。

介護者にはレスパイトが不可欠。
レスパイト・サービスを探しましょう。
わずか半日でもいいから、
可能な時には介護を離れて自分の時間を。

私の好きな“身勝手な豚”さんは Break, or you break.
「ブレイクして休むか、それともあなたがブレイクして壊れるか」と言っています。

③ Focus on One Person.
一度にあの人のこともこの人のことも考えないで。

子どもを育てながらの配偶者や老親の介護だったり、
複数の人を同時に介護していたり、状況はいろいろ。
でも、その時その時に、あなたを最も必要としている人に集中しましょう。
もちろん、あなた自身にも時間を割いて。
そういう切り替えが、介護を続ける力となります。

④ Accept Today; Don’t Wish for Yesterday
「昔はこうだったのに」と考えるより今のその人に目を向けましょう。

元はこういう人だったのに、と
その人が元気だったころの姿を惜しんでばかりいると
今のその人が見えなくなります。

それよりも苦しくはないかな、ハッピーかな、と
今のその人に目を向けると、目の輝きに気づいたり、
今のその人との関係に喜びを見つけることができます。

⑤ Don’t be a Martyr; Ask for Help.
悲劇のヒロインにならないで。助けを求めましょう。

介護されている人も介護している人も
世の中には五万といるのだから、
友達や近所の人や専門機関にも堂々と助けを求めて、
決して悲壮な覚悟で介護を抱え込まないで。

Talk about the Tough Topics.
難しい問題から逃げず話してみましょう。

人の弱みにつけこんでカネをだまし取るような輩が
世の中には沢山います。何かおかしいなと感じても、
お金の話題は出しにくいものですが、逃げずに
思い切って、話してみましょう。

⑦ Get the Legal Stuff Done.
法律や金銭の問題を専門家に相談しましょう。

法的な代理人になるなど、
法律と金銭の問題について専門家に相談して、
知識を身につけ、対処しておきましょう。

⑧ Take Care of Your Own Health.
自分の健康管理もしっかり。

介護者にも持病があったりします。
介護負担に追われてなおざりにしておくのではなく、
運動をしたり食事にも気をつけて、
自分自身の健康管理もしっかりしましょう。

⑨ Don’t Succumb to Chaos.
とんでもないことが起きてもパニックしないで。

とんでもない事態が発生した時、最も大事なことは落ち着くこと。
落ち着くことで、どんな状況下でも強く、柔軟に、思いやりをもって対処することが出来ます。



AARPの「州ごとの介護の成績表」については
介護保険情報」11月号の連載で書きました。

また、これまでに同誌の連載で介護者支援関連で書いたものは
去年、介護者支援シリーズ1~6にとりまとめました ↓



なお、介護者に向けたメッセージやアドバイスとしては ↓