2010年5月22日の補遺

米国小児科学会が女性器切除をiある程度許容するガイドラインを出したことで、批判を浴びている。当該委員会の委員長はDiekema医師。現場の医師としては、親に言ってこられた際に断固はねつけたのでは信頼関係が作れない、もともとそういう文化の母親たちなのだから断ったら、却って少女たちは海外へ連れて行かれて不衛生な手術や、もっと侵襲度の高い手術を受けさせることになる、最近の切除は形だけのものが多くなっている、男児の割礼と同じく衛生上のメリットが全然ないわけでもない・・・・・・などなど。:それで、人権意識は、どこに?
http://www.smh.com.au/world/support-for-female-circumcision-stirs-controversy-in-us-20100521-w1uz.html
http://edition.cnn.com/2010/HEALTH/05/21/america.female.genital.cutting/

もともとそういうリスクのある遺伝子変異のある子どもでは、ワクチンによってDravet症候群という癲癇発作が誘発される可能性が言われていて、その関連性を調べたところ、どうも、その可能性はあるらしいのだけれども、だからといって、ワクチンが症候群のアウトカムそのものに影響しているというエビデンスはないのだから、変異のある子どもへのワクチン接種はやめるべきではない。:これ、例の化学物質に関する「有害だというエビデンスがないのだから安全」と同じ論理では? それに、遺伝子変異があるということは「リスクがある」ということであって、必ず症候群になるということではないのでは?と思うのだけど、この論文のサマリーでは「症候群になると運命付けられている」とされていて、そのために「ワクチンは症候群を誘発するのではなく、起こる時期を早めるだけ」と解釈されているのも、ちょっと、そこのところにはデータの読み方として非科学的な論理の飛躍があるのでは???
http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2810%2970107-1/abstract?&elsca1=TLN-190510&elsca2=email&elsca3=segment

ビタミンDがMSの予防に有効。:ビタミンDサプリについては、この病気にも、あの障害にも効く・・・・・・という話が次々と出ている。ちょっと前には、スタチンがこんなふうに万能みたいに言われたんじゃなかったっけか?
http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2810%2970086-7/abstract?&elsca1=TLN-190510&elsca2=email&elsca3=segment
http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2810%2970121-6/fulltext?&elsca1=TLN-190510&elsca2=email&elsca3=segment

進行したパーキンソン病の治療として、脳深部刺激(DBS)が既に定着しているらしい。でも、もうちょっと侵襲度の低い治療と、リスクと利益をちゃんと比較検討しましょう、という声も。
http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2810%2970093-4/abstract?&elsca1=TLN-190510&elsca2=email&elsca3=segment
http://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2810%2970108-3/fulltext?&elsca1=TLN-190510&elsca2=email&elsca3=segment

イタリアのナーシングホーム入所高齢者の自殺率は、在宅で暮らしている高齢者よりも高い。
http://www.mcknights.com/suicide-rates-for-seniors-climb-in-italian-nursing-homes-assisted-living/article/170648/