2010年3月23日の補遺

日曜日のNHKスペシャル「暗闇の世界」に対する、川口有美子さんの感想。:ALSについては、死の自己決定権の議論で何度も登場する病気でもあり、ある程度の知識はあったけど、それはただの頭の中の知識だったから、現実のALSの患者さんの姿をディテールごと克明に映し出す映像は衝撃だった。尊厳死についても「死の自己決定権」についても、まだ一般には何も議論されていないに等しい日本の今の段階で、こういうものが放映されることの危うさみたいなものを感じながら私は見た。一定の議論を積み重ねてきた関係者や専門家にとってはそれなりに考えさせる作り方だったかもしれないけど、ALSについても支援や介護についても知識のない一般の視聴者の大半は、強烈な視覚イメージから受けた衝撃の中で「自分がもしこうなったら、どうする? どうしたいだろう」という疑問と素朴に向かい合い、「死は自己決定権」に向かって誘導されただけなんじゃないんだろうか。そして、「重症障害者」の中には非常に多様な障害像が含まれるにもかかわらず、そういう人たちの頭の中では、TLSという非常に特殊な状況の悲惨とインパクトの強いALS患者の容姿とが、「重症障害者とはこういう人のこと」というイメージとして定着してしまったのではないんだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/ajisun/20100322

米国小児科学会が医療制度改革法案の下院通過を支持。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/183046.php

米国で初めて試験管ベビー誕生を実現させ、生殖補助医療を緒につけたHoward医師のNYTインタビュー。現在の生殖補助医療は商業化されすぎている、と。
http://www.nytimes.com/2010/03/23/health/23prof.html?th&emc=th