重症児の子宮摘出承認でダウン症協会前会長・上院議員が検察に行動を求める(豪)

Angelaちゃんの子宮摘出が認められたことをうけ、
Queenslandの全ダウン症候群協会会長でリベラル派の州議会上院議、Sue Boyce氏が
検察に対して行動を求めた。

今回の家庭裁判所の決定を「21世紀に理解不能
「障害のない11歳の少女から子宮が摘出されたら、全てのオーストラリア人があきれ返るはず。
障害があるからと扱いを変えることは完全に差別的で非人間的」と。

ただ、主任検事のMcClelland氏は
「子どもが重大な医療を受けることに
強い懸念を持つ人が地域にいることは認識しているが、
決定は子どもの最善の利益に沿って行われるもの。
必要な事項を考慮し子どもの最善の利益を検討する権限は
家庭裁判所が与えられている」として
介入には消極的。

1992年のMarion訴訟において
侵襲度の高い医療では裁判所の命令が必要で、
その際には家裁が子どもの最善の利益で、とした高裁の判断については、

しかし「最善の利益」はどうにでもなる、との批判も。

2002年に前・障害者差別コミッション Elizabeth Hastings氏は、この決定について
「法は身体の統合性に対する基本的人権を保護しそこなった」と。

A-G urged to act on sterilisation
The Australian, March 13, 2010


家裁が「最善の利益」で決めた、といったって、
主任検事さんには、あの判決文を読んでからにしてほしいわ。

「権限のある判事の私が、親と医師の言うとおりだと思ったから
それ以上の検討は無用。はい。判事として認めます」

それだけですよ。あの判決内容は。

それから、この事件の関連ニュースを何本か読んで、とても気になるのは、
障害のある子どもの要介護状態を表現する際にメディアが、いちいち
「食べさせてもらわなければならない」
「歩行器にストラップで固定してもらわなければならない」
「乗り移る際には誰かにサポートしてもらわなければならない」など
「・・・・・・してもらわなければならない」という表現を使うようになっていること。