OR州の「尊厳死」:97%にC&Cが関与、たった20人の医師がせっせと処方

施行されてから12年のOregonの尊厳死法について
3つの重大な問題が統計を引いて指摘されています。

精神科の診察が必要な人がそのままスル―状態で自殺させられている。

2009年に同法で幇助自殺した人が59人だったことは
こちらのエントリーで紹介しましたが、この記事によると
その中の誰ひとりとして、精神科のアセスメントが必要だとされていない、
過去3年間で精神科のアセスメントに紹介されたのは
自殺希望者総数の1%に過ぎない、とのこと。

この点については去年、州保健局からも懸念が表明されており、
08年の志願者の25%がうつ状態だったことから考えると、
1%しかアセスメントを受けていないというのは問題が大きい。

ほとんどのケースにCompassion & Choiceが関与している。

12年間の総件数のうち、C&Cが関与したケースが78%もある。
08年だと、88%に関与。09年には97%、59件のうち57件に関与している。

限られた医師だけが致死薬を処方している。

2001年から2007年の7年間に1人もしくは複数の患者に
同法のもとで致死薬を処方した医師は109人。

Oregonで現役活動中の医師が約10000人なので、
わずか1%に過ぎない。

また、このままだと109人が271件の処方箋を書いた計算になるが
実際には271件のうち61%はたった20人の医師によって書かれている。



これは、つまり、
C&Cがせっせと死にたい人を探しては、
ぴたりと張り付いてゴールまで「支援」をし、

その「支援」では、
C&Cの息のかかった、ごく少数の医師が、
C&Cが連れてくる患者を受け入れて、せっせと処方箋を書いている……ということ。

精神科に紹介される人が少ないことの背景は、そういうことでしょう。

Brown首相の「合法化はやめておこう」という呼び掛けを
「OregonやWashingtonでちゃんと機能して弱者が守られているのに
同じことが英国人にできるとは信じないのか」と即座に叩いたDebbie Purdyさんは、
こういうのを知らないのでしょうか。