2010年2月10日の補遺

例によって、まず自殺幇助関連を


米国のプロ・ライフの草の根運動の会長さんが、英国のGilderdale事件とInglis事件と、その周辺の議論を巡って長い論考を書いている。:いつも思うのだけど、一旦広く議論になってしまうと、みんな頭の中の抽象概念としての「障害」であったり、「悲惨な寝たきり状態」であったりで話を進める。もっと事実関係をしっかり押さえた上で、個々の事例の事実にちゃんと即して、もっと事実に基づいた議論をするべきじゃないのかな。Ashley事件で、こういう意味で一番お粗末だったのは「とりあえず誰よりも早く論文にして“業績”を作りたい」学者さんたちだったような気がするんだけど。
http://www.renewamerica.com/columns/brown/100209

豪Brisbaneで自殺幇助事件が起こっている。獣医用のバルビツール系毒物が他国から持ち込まれるケースが多いような印象。いつかテキサス州でも、そういう事件があった。
http://www.abc.net.au/news/stories/2010/02/09/2814431.htm?site=brisbane


この後、いつもの補遺

去年のクリスマス頃にBrown首相が選挙対策で打ち出した「高齢者のケアホームと、ニーズの高い人の介護を無料にする」という施策には、財源の裏付けが乏しく、空約束で高齢者の期待だけを高めている、と議員らから批判。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article7021299.ece?&EMC-Bltn=9ALCR2F

昨日、英国の議員さんたちから出てきていたBrown首相の高齢者介護施策への批判(上のリンク)で、今日になって労働党の議員さんたちが圧力を受けてメディアに出した手紙から名前を取り下げた、とか。政治的駆け引きで、いったいどうなるのか。そもそも英国はNCS創設に向けてパブコメ募集していたはずなのだけど、この動きとどうつながっているのか、さっぱり分からなくなって私は混乱中。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/politics/article7022706.ece?&EMC-Bltn=DAPBS2F

2013年に改定される the diagnostic and Statistical Manual of Mental Disordersでは、正常とそうでない線引きが大幅に変わって、双極性障害の診断数はぐっと減ることになるだろう、と。:時間があったら、ちゃんと読みたいけど、とりあえず双極性障害の診断が大幅に減るという記述に関しては、やっぱりBiedermanスキャンダルの影響を考えた。でも、「これまでの基準は製薬会社からのゼニに影響された誤りでした」とは誰も認めないまま、診断基準だけは改定されていくんだろうか……。現場の医師の方々にとって、それは納得できることなんだろうか。
http://www.nytimes.com/2010/02/10/health/10psych.html?th&emc=th

上記の改定での大きな変更の一つが自閉症アスペルガーとか広汎性発達障害とかでなく、スペクトラムとして捉えることのようで、それに関する記事。
http://www.nytimes.com/2010/02/10/opinion/10grinker.html?th&emc=th

自閉症のワクチン原因説を世の中に流したWakefield論文を先ごろLancetが削除したが、それを受けて、なのかどうか、自閉症児には消化器に問題がある子どもが多い、とその関連性が注目されてきている、とか。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/02/09/AR2010020901789.html

米国でここ10年の間に急増している慢性病患者を対象にした病院で、ケアの質がひどい。監査の目が及んでいない。:これは、あとで読む。しかし、長い……。ただ、冒頭のところで、不穏になった患者さんに「シッタ―が配置された」というのは、ほぉ……と思った。http://www.nytimes.com/2010/02/10/health/policy/10care.html?th&emc=th

政府のセーフティネットが機能せず、米国で飢えている人が増えている。
http://www.nytimes.com/2010/02/10/opinion/10wed4.html?th&emc=th

ファースト・レディが米国の子どもたちの肥満対策に乗り出した。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/02/09/AR2010020900791.htm

米国のCIAのテロ容疑者への拷問疑惑と同じ問題が英国M15に起こっているらしい。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/feb/10/binyam-mohamed-torture-mi5

ギャンブル狂いの女性が架空の子どもをでっちあげて税金の控除などの特典を利用していた。豪:子どもが、どんどん「手段」になっていくような気がする。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/woman-invented-child-for-benefits/1746791.aspx?src=enews