FL州では早期介入で荒れる子どもと家族の支援に効果

先日来、
Nebraska州の“安全な隠れ家”法が問題行動のある子どもたちと親への支援不足を炙り出して
話題になっていますが、

早期介入で青少年の犯罪抑止効果を上げているFlorida州の取り組みについて
NY Timesに記事が。



Florida州では
州内28箇所のシェルターで子どもを14日間預かり
親にはレスパイトを、子どもには怒りのマネジメントの講義などを提供するほか、
親と子それぞれにカウンセリングを受けさせる早期介入が功を奏している、という報告。

シェルターの運営はNPO活動の統括グループ Network of Youth and Family Services。
民間の様々な活動を支援・統括しつつ、支援の隙間を埋める活動をしてきた。
運営資金は州の少年司法局から。

刑事犯罪に問われている青少年を対象にすることは法律上出来ないので、
犯罪に手を染めるまで行かないが荒れて家庭や学校の手に負えない子どもたちに対応する。
ちょうどNE州の“安全な隠れ家”法で親に棄てられた子どもたちに重なる。

荒れる子どもたちが収監されたり施設に収容される事態に行き着く前に
早期に介入して支援する方が最終的には安上がりだという考え方の変化が
全米で少しずつ広がり始めており、Floridaを筆頭に同様の取り組みは
Arizona, Connecticut, Illinois そして New York 州でも。

しかし、この取り組みだけでも予算不足で先行き不透明であることに加えて
実際の問題はFL州の青少年向け精神医療の不足の方なのに、
精神科では初期アセスメントだけでも400ドルもするものだから
危機介入で対応し安価なカウンセリングで済ませていると
長期的な効果に疑問を呈する専門家も。

確かに、14日間のクーリング期間で対応できる親子がいる反面、
その間に、もっと根深い問題(親のアル中や子どもの精神疾患)が見えてきて、
もっと密度の濃い対応が必要となるケースもある。
そういう場合のシェルターの活動は
「ニーズを把握する間、傷口からの出血に
とりあえずバンドエイドで止血をしている」ようなものだとNetwork関係者。


そういえば、以前に、
医療と警察が連携して当たる危機介入機動チームについて
ちょっとだけ調べてみたことがありますが、
米国とカナダでは徐々に整備されつつある様子。

(これについては次回エントリーで、もうちょっと詳しく)

ここでもまた危機介入よりも早期介入で医療に繋ぐ方が効果的だとの認識が進み
司法と医療と福祉の協働で早期介入体制が整備されていけば
それが一番安上がりなのかも。

もっと広く障害児・者や高齢者と家族の支援にも
たぶん同じことが言えるはずなのだけど。


【NE州の“安全な隠れ家”法関連エントリー