ワクチン拒否問題でまたもDiekema医師コメント

アメリカ医師会の会員向け新聞の電子版 amednews.comに
9月8日付で親によるワクチン接種拒否を取り上げた記事がアップされており、
またもDiekema医師のコメントが2回紹介されています。

Time to get tough? States increasingly offer ways to opt out of vaccine mandates
Too many exemptions have been seen as a risk to public health. But a push to crack down might do more harm than good.
By Kevin B. O’Reilly,
AMNews, September 8, 2008


文末に疾患ごとのワクチンによる予防率や各州の除外条件、関連リンク一覧がありますが、
フルテキストが読めるのは掲載から90日間のみで
その後は梗概となります。


このところ米国では麻疹が急増しており、
96年以来のピークとなって懸念が高まっている。

約半数は
親が宗教上の信条または個人的な理由から予防接種を拒否した子どもの発症とされ、

統計的にも
宗教上の信条によってのみ免除を認めている州では患者数が増えていないのに対して、
宗教上の理由以外にも個人的信条による免除を認めている州で増えている。

中には規定の用紙に記入さえすれば簡単に免除されてしまうこともあり、
こうした州の免除規定に見直しを求める声が上がっている。

例えばJohns Hopkins大学のワクチン安全研究所などいくつかの機関が共同で
モデルとして新しく作った学校予防接種法案では
ワクチンの利点とリスクについてきちんと説明を受けた旨、医師からサインをもらった上で、
さらに自分の宗教上の心情について詳細に説明する書類の提出を親に求めている。

この法案を支持する声としてDiekema医師が登場しており、
「この法案だと接種率を上げ、
 どうしてもオプト・アウトしたい人はそれもできる。
 オプト・アウトするということは他の人たちをリスクに晒すということですから
 そういうことが簡単にできるのではいけません」

しかし、ワクチン接種免除の可否に医師の権威を関らせることには
反対の声もあり、

また通常の学校生活で感染し大流行を引き起こすおそれのあるポリオや麻疹のような病気と、
通常の学校生活では感染しないB型肝炎ヒトパピロース・ウイルス(HPV)とでは
分けて考えるべきだという声もあって、
Va州の生命倫理シンクタンク the Center for Ethical Solutionの所長Sigrid Fry-Revere氏は
「そもそも義務付けるのであれば、免除があることそのものが欺瞞」とも。

ここでDiekema医師が再びコメント
「どのワクチンを義務付けるか州は慎重に決めなければ。
学校に行ったらヒトパピロース・ウイルスに感染するという話じゃないのだから」と。

というのも、背景には、
去年、HPVワクチンを義務付けるよう製薬会社が
各州に対して強力なロビー活動を行ったことから
広く一般からのバッシングが巻き起こって
予防接種に対する不信感を高めてしまったという痛い経験が。

あまり強硬な手段に訴えると、その二の舞になったり逆に反発を買うことも懸念されて、

米国医師会や小児科学会など15団体は
The Immunization Allianceという組織を作って地道に教育を行っていく方針。



ちなみにDiekema医師は親のワクチン接種拒否問題については
シアトル子ども病院の生命倫理カンファで講演もしているし、
最近では論文も発表しています。