2012年7月12日の補遺

ニュー・メキシコ州で医師と患者による自殺幇助訴訟。これはたぶん4月12日の補遺で拾ったニュースの続報。
http://www.healthpolicysolutions.org/2012/07/11/doctors-patient-challenge-new-mexico-assisted-suicide-ban/

昨日の補遺で拾ったオランダの安楽死に関する論文に、英米のメディアが「PAS合法化しても“すべり坂”は起きない」とのエビデンスだ、と。:オランダで緩和ケアが崩壊し、25歳以上の重症脳障害を治療する医療機関がなくなり、「宅配安楽死」制度ができてしまっている実態って、そういうデータからは見えない“すべり坂”なんでは、と私は思うのだけど。
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/9390411/Legalising-assisted-dying-doesnt-lead-to-more-opting-for-death-Lancet.html
http://health.usnews.com/health-news/news/articles/2012/07/11/dutch-euthanasia-rates-unchanged-after-legalization

ちなみに、ベルギーの実態調査データは10年に出ている。この時、ネットでは「本人の明示的な意思表示なしに致死薬が使われている」「看護師が安楽死に関与している」など、データの詳細から“すべり坂”がむしろ疑われるデータと捉える向きが多かったのに、その直後の日本の某シンポで若手研究者がこの論文から「件数割合」のデータだけを引用して、「ベルギーでは“すべり坂”は起きていない」と発表したのに、ぶったまげたことがあった。
ベルギーにおける安楽死、自殺幇助の実態調査(2010/5/19)

モンタナ州の自殺幇助を違法とする法案がどうなったのか確認できていなかったのだけど、あの法律は結局のところ成立しなかったみたい?
http://www.montanansagainstassistedsuicide.org/2012/07/position-statement-no-20-must-be.html

メリンダ・ゲイツさんの「途上国で避妊を」キャンペーンと英国政府と共催の国際会議関連。ゲイツ財団は今後の8年間で10億ドルを提供。でもなぜかSeattle Timesの記事の方には、途上国の貧困問題解決のために人口抑制が必要、という話は全く出てこない。
http://www.cbsnews.com/8301-504763_162-57470508-10391704/melinda-gates-promotes-birth-control-as-an-important-part-of-family-planning/
http://seattletimes.nwsource.com/html/localnews/2018659038_gates12m.html

上記の動きに、これで貧困が解決するわけがない、メリンダさんがやろうとしているのは自分の基準にそぐわない貧乏な人たちを減らすことに過ぎない、このキャンペーンは途上国の女性の利益にはならず、Planned Parenthoodのような組織を利するだけ、との批判。
http://www.onenewsnow.com/Culture/Default.aspx?id=1628854

片やビル・ゲイツ氏は、教育施策に関するフォーラムで基調講演を行い「教師は生徒に評価させるのが一番」と。
http://blogs.edweek.org/edweek/state_edwatch/2012/07/bill_gates_praises_common_core_cautions_about_bonus_pay.html

09年から10年にかけての豚インフルエンザ騒ぎで使われたH1N1ワクチンに、ギラン・バレ症候群のリスクを3倍に高める副作用の可能性。調査対象となった地域での死亡リスクは2500人に1人。
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/9389139/H1N1-vaccine-linked-to-potentially-fatal-nervous-system-condition-study.html

英国政府の後ろ向きの介護制度改革に、「去年のDillnot報告はどこへ行った?」と高齢者の憤り。
http://www.telegraph.co.uk/health/elderhealth/9393742/Elderly-betrayed-over-care-funding-reform.html

米国で携帯電話会社がFBIや警察などの求めに応じて、利用者のデータを渡した、と。去年だけでもデータを求められた回数は130万回。ProPublicaとNYT。
http://www.propublica.org/article/how-many-millions-of-cellphone-are-police-watching