周辺事情

コンピューターソフト・ウインドウズの開発者であり、マイクロソフト社の創設者、現会長のビル・ゲイツ氏が2000年にメリンダ・フレンチ・ゲイツ夫人とともに創設したビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じて、世界中の医療や福祉・貧困や女性と子どもを巡る様々な問題の解決のために巨額を投じ、高い評価を受けていることは周知の事実です。

ビル・ゲイツ氏は自分を育んでくれたアメリカ北西部に感謝し、またその地域がいまなお貧困に喘ぐ姿に心を痛め、わざわざ太平洋北西部の団体や事業を対象にした助成を別立てで行っています。助成を受けている団体は公共性の強いものである以上、シアトル近郊に集中するのも当たり前のことでしょう。

例えば2002年の財団の年次報告によれば、「太平洋北西部助成」を受けた金額が一番多かったのはワシントン大学財団で7000万ドル。第2位が子ども病院財団の2000万ドル。子ども病院への支援には但し書きがあって、「歩行ケア施設と無償ケアのための資金キャンペーンを支援するため」となっています。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団のHPで、シアトル子ども病院への支援を検索してみると、膨大な資料が出てきます。あまりにも膨大な量なので全貌はとても把握しきれませんが、少なくとも1997年からは毎年「一般的な支援」として1万ドル。そこに年によって、具体的な目的を持った支援金が5万ドル、10万ドル、50万ドル、と追加されています。

シアトル子ども病院のHPで資金提供を呼びかけるサイトには、メリンダ・ゲイツ夫人に対する長文の謝辞が掲載されています。1997年の早くから、彼女はシアトル子ども病院の支援に力を入れてきたようです。この謝辞の最後には、新しい歩行ケア病棟ができたことについて、多くの資金提供者の協力に感謝する一文もあります。上記のゲイツ財団2002年の年次報告に但し書きされていた「歩行ケア施設」のことでしょう。

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恒常的に病院に設置された倫理委のメンバーは他病院の医療職や地域の代表を含んでいるのに対して、2004年5月5日に召集され、アシュリーの両親の要望にゴーサインを出した特別倫理委員会のメンバーは、ワシントン大学とシアトル子ども病院の職員のみから成っていました。